本年2月、レクサスの中核をなすCセグメントSUV「NX」に一部改良が施されたが、その際、新たに“OVERTRAIL(オーバートレイル)”が設定された。ユーザーの幅広いライフスタイルに寄り添う本パッケージは、レクサスの新たな可能性を見せてくれた。
新たなライフスタイルに寄り添う新パッケージ
レクサスのコアモデルとして国内のみならず、グローバルでも高い人気を誇るNXだが、今年2月の商品改良に合わせて“OVERTRAIL(オーバートレイル)”という新たなグレードが設定された。
カーボンニュートラル社会や「人と自然とモビリティの共生」の実現を目指し、ユーザーの幅広いアウトドアライフスタイルに寄り添う「オーバートレイル・プロジェクト」の一環として開発された本モデルは、オフロード性能を強化したほか、エクステリアにも手を加え、自然と共生するアウトドアライフスタイルを表現しているという。
試乗車のボディカラーはオーバートレイル専用となる「ムーンデザート」。足元は18インチのオールテレインタイヤを履くほか、地上高もベースモデルから15mm高められている。さらに専用チューニングが施されたAVSを搭載するほか、走行モードには新たに「Trail」が用意され、多少の悪路なら躊躇なく切り込んでいけるだろう。
ここまでやるとオンロードでの走行性能が犠牲になっているのかと思われるかもしれないが、そこはオンロードでの優れた走行性能で“都会派SUV”として鳴らしたNXなので心配無用。今回の商品改良にてブレース等が追加されボディ剛性が向上しているほか、サスペンションチューニングで足回りも熟成。オンロードでもレクサスらしいダイレクト感のある走りを披露してくれた。
さらにボディやエンジン懸架系の騒音・振動諸元を見直したことで静粛性も向上。オールテレインタイヤのロードノイズもほとんど気にならないレベルにまで抑え込まれていた。
このオーバートレイルはある種の“味変”モデルといえるかもしれないが、見かけだけの味変ではなく、細部までしっかりと作りこまれているので、完成度は高い。これまでNXを検討していなかったユーザーにも新たな選択肢を提供する、そんな可能性を示唆する1台といえるだろう。
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