トラベルブランドのモルンが提案するのは、手入れをすればずっと使える革製品のような新しいスーツケース。ハンドバッグを選ぶように、ファッションに合わせてスーツケースを選んでみませんか?
旅が日常に戻ってくるにつれ、その向き合い方が以前とは少し変わってきたような気がする。これまでさほど意識しなかったが、移動を含め、より充実した有意義な時間を過ごしたくなった。それにはトラベルグッズも重要で、とくに気になったのがスーツケースだ。
1週間以上の海外出張では、アルミのスーツケースの他、ロストバゲッジに備えて機内持ち込みのトロリーを使っている。必然的に乗り継ぎの空港内でも手にする時間は長くなり、これがアルミでは武骨に感じてしまうのだ。スーツケースが荷物を運ぶための堅牢な鎧のようなツールであるのに対し、もう少しリラックスした旅の開放感を味わえるような存在であってほしい。そこで見つけたのがモルンだ。
ITビジネスやマーケティングを手がけるなか、理想のスーツケースの製品化を思い立ち、開発に約2年をかけて2022年にブランドを立ち上げた。それだけ時間を要したのは異業種からの参入に加え、スーツケースは思いの他ハードルの高いプロダクツだったからだ。収納性や使いやすさ、耐久性や安全性など満たす要件もさまざま。パーツ点数は多く、オリジナリティを求めれば、コストや時間もかかり、採算に合わない。メジャーブランドと安価なものに二極化しているのはそのためだ。それでもプロダクトデザイナーの柴田文江さんとの出会いによってモルンは生まれた。
ブランド名はスウェーデン語で雲を意味し、美しいコーナー曲線のフォルムに、砂岩のようなシボで仕上げたポリカーボネートの本体と合皮の前面パネルを組み合わせる。こうしたマットでスムースなスタイルや異素材の仕上げはスーツケースでは極めて異例で、通常は光沢感と凹凸のあるデザインで傷を目立たなくするという。それでもあえて採用したのは、鞄のような親しみやすさを求めて。とくにキャビンサイズは女性ユーザーが多く、審美眼はもちろん実用性と機能への厳しい要求を満たすのだ。
自然界から着想した独自のカラーパレットに加え、ハンドルバーのメタルやレザーストラップ、金具も同色で統一。スタイリッシュなだけでなく、機能面でもメイドインジャパンの高級キャスターを装備し、静音性と滑らかな動きを実現する。
車載時も上質を醸し出し、オーベルジュや老舗旅館での滞在にも似合うだろう。考えてみれば4輪を備えたトロリーはクルマ的でもある。つき合い方や愛着は両者に通じるのかも知れない。
【Items】moln Luggage
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