ホンダ

【国内試乗】全方位に進化を遂げたコンパクトSUVの本命「ホンダ・ヴェゼル」

今回のマイナーモデルチェンジでは、「EXPAND YOUR LIFE（人生を広げる）」をグランドコンセプトに設定しているホンダ・ヴェゼル。内外装のデザイン変更に加えハイブリッドシステムや足回りなど多岐に渡る改良で、商品力を一層強化してきた。

初のマイナーチェンジでe：HEVと足回りが進化

2021年4月にホンダが満を持ちして投入してきた2代目ヴェゼルは、初代から継承されるコンパクトでスポーティなデザインと、使い勝手の良さが評価され、国内のコンパクトSUVの中では上位の販売台数を誇る人気モデルだ。

エクステリアは、フロントグリルとフロントバンパーのデザインやリアコンビネーションランプを変更。ベースグレードのe:HEV Xにアウトドアテイストを追加した「HuNTパッケージ」を新たに設定する。

そんな2代目ヴェゼルが初のマイナーチェンジを受けた。エクステリアは、フロントグリルとバンパーのデザインやリアコンビネーションランプを変更、インテリアは前席2段センターコンソールを設定するなど、内外装を見直した。

新型に搭載するハイブリッドシステム「e：HEV」は、制御の進化により、バッテリー使用量を拡大、これによりエンジンのON／OFF切り替えを30％低減するほか、EV走行範囲を拡大するなど同社の中でも最新バージョンのモノに更新されている。

まず試乗した最上級グレードのe：HEV ZのPLaYパッケージ（AWD）は、モーターのアシストによりアクセル操作に応じて力強さがスムーズに立ち上がり、エンジン回転数に頼ることなく満足できる加速が得られた。さらに、モーターとエンジンの連携が洗練されているだけに日常的な場面では高い静粛性が維持されていた。また発進時や速度を一定に保つと、モーターだけで走る場面もかなり多くBEV感が増している印象だ。

ハイブリッドの「e:HEV」は、日常シーンのほとんどをモーターで走行し、低燃費で滑らかな走りを実現する2モーターハイブリッドシステムを搭載。

一方、e：HEVのFF車のみ、電動パワーステアリングのソフト変更とダンパーの減衰力を変更し、安定感と乗り心地が向上している。

インテリアデザインは、前席のセンターコンソールを左右対称に変更することで、両席からアクセスしやすい形状とした。e:HEVモデルは、ダッシュボード、ルーフ、フロアの各遮音材と防音材の厚み、配置を最適化。

ワインディング路で試したが、大きめの入力があるとそれなりの突き上げはあるものの、多少の路面の凹凸なら極めてスムーズにいなしてくれることで、終始快適な乗り味であった。ステアリングの手応えは軽めでも操作に対する応答性は正確そのもの。軽快感を強調するといった不自然な演出もない。走りも確実に進化していた新型ヴェゼルはオススメの1台だ。

【Specification】ホンダ・ヴェゼルe:HEV Z・PLaY パッケージ4WD
■車両本体価格（税込）＝3,776,300円
■全長×全幅×全高＝4340×1790×1590mm
■ホイールベース＝2610mm
■トレッド＝前：1535、後：1540mm
■車両重量＝1450mm
■エンジン型式／種類＝LEC／直4DOHC16V
■内径×行程＝73.0×89.4mm
■総排気量＝1496cc
■最高出力＝106ps（78kW）/6000-6400rpm
■最大トルク＝127Nm（13.0kg-m）/4500-5000rpm
■モーター形式／種類＝H5／交流同期電動機
■モーター最高出力＝131ps（96kW）/4000-8000rpm
■モーター最大トルク＝253Nm（25.8kg-m）/0-3500rpm
■燃料タンク容量＝40L（レギュラー）
■燃費（WLTC）＝21.3km/L
■トランスミッション形式＝CVT
■サスペンション形式＝前ストラット／コイル、後：トーションビーム／コイル
■ブレーキ＝前後：Vディスク
■タイヤ＝前後：225/50R18