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【海外試乗】PHEV専用のアクティブサスペンションを装備しフルチェンジ!「ポルシェ・パナメーラ4S Eハイブリッド」

ポルシェのスポーツラグジュアリーセダンである3代目パナメーラEハイブリッドの全モデルは、先代モデルと比べて、電気航続距離の延長、充電速度の向上、スロットルレスポンスの改善など、ほぼすべての分野での走行性能の向上を実現。ここでは、上陸が待たれる新型モデルの第一報をお届けしよう。

ハイブリッドモデルの中間に位置する存在

今年3代目へと進化を遂げたポルシェ・パナメーラには、353psの2.9L・V6ツインターボを搭載するFRのパナメーラ、そのAWD仕様のパナメーラ4、2.9L・V6とモーターを組み合わせ、システム最大470psを発生するパナメーラEハイブリッド、そして4LV8ツインターボ+モーターでシステム最大680psを誇る最強モデルのパナメーラ・ターボEハイブリッドが用意されているが、今回EハイブリッドとターボEハイブリッドの中間となるパナメーラ4S Eハイブリッドに試乗することができた。

標準装備されるアダプティブ2チャンバーエアサスペンションにより、路面の凹凸によるボディの動きをほぼ完全に吸収。ダイナミックな運転操作中も常にボディを水平に保ち、快適な走行性能を実現するという。

エンジンはEハイブリッドより49psアップの最高出力353ps、80Nmアップの最大トルク500Nmを発生する2・9L・V6ツインターボ。一方8速PDKとの間に搭載される190ps&450Nmの永久磁石式同期型モーターはEハイブリッドと同一で、システム最大出力は74psアップの544ps、100Nmアップの750Nmを誇る。

開口部の広いハッチバックタイプのトランクルームもパナメーラの特徴のひとつ。容量は通常で430L、後席を倒せば最大で1264Lまで拡大。

また容量25.9kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載したことで、ハイブリッドモデルにのみ、400Vの電力により油圧ポンプを作動させ、1秒間に最大で13回、新採用の2バルブダンパーの伸縮を制御、調整できるポルシェアクティブライドサスペンションを搭載しているのも3代目の大きな特徴である。

インパネにはドライバーのために設計されたポルシェドライバーエクスペリエンスにより、快適な操作性を実現。

そんなパナメーラ4S Eハイブリッドでまず驚くのは、ドアを開けると瞬時に車高が5cmほど上がることだ。これは乗降性をよくするためのアクションで、アクティブサスペンション装着車の証でもあるのだが、慣れるまではギョッとしてしまう。

プラットフォームは先代のMSBをアップデートしたもので、2950mmのホイールベースは同一。ボディサイズも全長5052mm、全幅1937mm、全高1423mmとほとんど変わらない。一方、車重は2255kgと15kgほど軽くなっているのは、エアサスペンションなど細かい部分で軽量化の努力を行なった結果といえるだろう。

十分なスペースのあるリアシートは、オプションでシートベンチレーションとマッサージ機能が選択可能。

今回はカイエンGTSとともにシュトゥットガルト近郊を舞台にドライブしたのだが、まず感じたのは車格や車重を感じさせない軽やかさだった。先代よりパワーアップしているだけでなくローターの設計変更で質量慣性が50%低減されたことで、スロットルレスポンスが向上したというモーターの効果は明らかで、出だしのタイムラグのなさ、加速しようとスロットルペダルを踏み込んだ時のツキ具合は感動的ですらあった。その印象をより良いものにしているのが8速PDKで、変速スピードの速さはもとより、その動作が実に滑らかで、サルーンとしての上質さも感じさせてくれる。

それに加えて素晴らしいのがポルシェアクティブライドサスペンションで、凹凸などの雑味を見事に遮断したフラットライドを実現しながらも、路面のインフォメーションを的確に伝えてくる。それでいて当たりが柔らかで乗り心地もいいのだ。

そしてハンドリングは紛れもないポルシェのそれ。鼻先の動きが軽くスムーズで、リアの追従性、安定性も素晴らしいので、ワインディングでのスポーツドライブも十分楽しむことができる。その出来栄えに、ポルシェの電動化に対する本気具合を改めて見せつけられた気がした。

Q.E-Hybridとはどんな仕組みですか?
A.効率的でダイナミックな新しいパワートレイン技術です。

2.9L・V6ツインターボと8速PDKの間に190psの永久磁石式同期型モーターを搭載。バッテリー容量は45%アップの25.9kWhとなり、EVのみで最高140km/h、76~91kmの走行が可能。また充電時間も2時間39分に短縮された。

【SPECIFICATION】ポルシェ パナメーラ4S Eハイブリッド
■車両本体価格(税込)=19,400,000円
■全長x全幅x全高=5052x1937x1423mm
■ホイールベース=2950mm
■トレッド=前:1666、後:1639mm
■車両重量=2255kg
■エンジン形式/種類=ー/V6DOHC24V+ツインターボ
■内径x行程=84.5×86.0mm
■総排気量=2894cc
■最高出力=353ps(260kW)/5400-6700rpm
■最大トルク=500Nm(51.0kg-m)/1900-4800rpm
■モーター形式/種類=ー/永久磁石式同期電動機
■モーター最高出力=190ps(140kW)/3200rpm
■モーター最大トルク=450Nm(45.9kg-m)/700-2971rpm
■バッテリー容量=25.9kWh
■燃料タンク容量=80L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/エア、後:マルチリンク/エア
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前275/40ZR20、後:315/35ZR20
問い合わせ先=ポルシェジャパン TEL0120-846-911

フォト=ポルシェAG/藤原よしお ルボラン2024年9月号より転載
藤原よしお

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