もちろん実車は存在しないから、ライセンスのくびきを気にすることなく、デザイナーもキット設計者も自由にのびのび仕事ができた。ここででたらめをやって雑に仕事を片付けるか、自由だからそこ現実的な説得力を盛り込むことに心を砕くか――トム・ダニエルと彼のチームは完全に後者だった。「荒唐無稽を本物にする」このプラクティスが、後年モノグラムを本物のオーセンティック・スケールモデルメーカーへと鍛え上げていく。 写真:羽田 洋、畔蒜幸雄、秦 正史 記事にもどる