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メルセデスのオフローダー、Gクラス初のフル電動モデル!「G580 with EQテクノロジー・エディション1」発売!

4輪それぞれを独立したモーターで駆動

メルセデス・ベンツ日本は、メルセデスのオフローダーであるGクラス初の電気自動車 「G580 with EQ Technology Edition1(ウィズ・EQテクノロジー・エディション・ワン」」を発表し、メルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて注文受け付けを開始した。配車は2024年11月を予定している。

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このG580はメルセデスのEV初となる4輪独立式モーターを搭載、2速のトランスミッションおよび制御システムとともにeATS(電動パワートレイン)を形成する。バッテリーのみで駆動する電気自動車でありながら、メルセデスAMG G 63のV8エンジンを越えるパフォーマンスを発揮するという。

4輪独立式モーターとは、4輪それぞれのホイール近くに永久磁石同期モーターを配置するもの。4個のモーターはラダーフレームの前後アクスルに2つずつ組み込まれ、短いシャフトで車輪を駆動。最高出力108kWの各モーターは、システムトータルで587ps(432kW)/1,164N・mを発生。ESPと集中制御ユニットによって、モータートルクは各輪に常に正確に伝達され、急峻な勾配や滑りやすい地面でも卓越したコントロール性を発揮するとのことだ。

バッテリーは、116kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載。最大4mm厚のスチール製ラダーフレームに組み込まれたバッテリーは、車両の低重心化に貢献すると同時に車体剛性を大幅に高めているという。このバッテリーとモーターの高効率性によって、一充電航続距離530kmを実現したとしている。

またこのバッテリーは、専用のアンダーボディプロテクションで強固に守られているという。カーボンファイバーなどを組み合わせた厚さ26mmのアンダーボディパネルは、50以上のスチールボルトでラダーフレームに固定、空力特性や静粛性などにも配慮。

充電システムは、交流普通充電(AC 200V)および直流急速充電(CHAdeMO)に対応。交流普通充電は出力6.0kWまで、直流急速充電は出力150kWまで対応するとしている。充電の設定や状況は、MBUXやMercedes-Benzアプリなどで確認可能だ。

また、アクセルオフ時やブレーキペダルを踏んだ際の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する回生ブレーキを採用、高電圧バッテリーの充電を行う。ステアリングのパドルシフトによって回生レベルを4段階で調節可能。これに加え、回生レベルを走行状況に応じて制御するというD Autoも用意されている。

都内で開催されたメディア向けの発表会では、9月にメルセデス・ベンツ日本合同会社の社長兼CEOに就任したゲルティンガー剛氏が冒頭に登壇し挨拶。その後ドイツ本国のメルセデス・ベンツグループ社でGクラスプロダクトマネージャーのトニ・メンテル氏がプレゼンテーションを行った。

ガソリン車に勝るとも劣らないオフロード性能
電気自動車のGクラスも内燃機関モデルと同様に、極めて高いオフロード性能を備えているとのこと。Gクラス伝統のラダーフレームはさらに強化され、ド・ディオン式リアアクスルも新開発されたという。各モーターとホイールはデュアルジョイントシャフトによって連結、これによりサスペンションの動きによってキャンバー角が変化しないため、常に安定したハンドリング特性を維持できるとされている。

またこのシャシーにはアダプティブダンピングシステムを標準装備。車速や路面状況に応じて、このシステムがダンピング特性を連続的に調整。このコンポーネントは泥道や砂利道、水たまりやぬかるみなど悪路での高い負荷にも耐えうるように設計され、オフロード走行時の安定性や快適性を大幅に高めているという。

さらに、トルクベクトリングを用いた仮想ディファレンシャルロックも備わっており、各輪のトルクを正確に制御することでディファレンシャルロックと同様の効果を生み出し、険しい地形でも瞬時に必要なトラクションを発揮するとしている。また、4輪独立式モーターとトルクベクタリングによって各輪へ自由にトルクを分配できるため、コーナリングにおいても極めて柔軟に、最大限のトラクションを発揮するとのことだ。

ローレンジモードも内燃機関モデル同様に搭載されており、各輪のモーターにはそれぞれトランスミッションが備わって、減速比を2:1にすることでトルクを高めるという。ハンドリングやアクセルレスポンスの特性も、急勾配の荒れた地面を走行するために最適化されるという(ローレンジモードでの最高速度は85km/h)。

■G-TURNとG-STEERING
G-TURNとは、オフロードの未舗装路等で最大2回転まで旋回可能という、「革新的な機能」。例えば前方に障害物があり先に進めなくなった場合、左右の車輪を逆回転させることで左右いずれかの方向に方向転換。

G-STEERINGは、未舗装路等走行時に大幅に回転半径を縮小できる機能。各輪のモーターの駆動トルクを個別に制御することで後輪軸を中心に旋回でき、これによりタイトなコーナーでもステアリングを切り返すことなく曲がれるという。

オフロード走行用の低速クルーズコントロールである、オフロードクロール機能も採用。これにより、ドライバーはブレーキやアクセル操作をせずステアリング操作に集中できるという。ローレンジモードがオンの場合常に作動し、パドルシフトによってクロール速度を3段階選択可能。以上3つの機能は公道では使用できないので注意。

■DYNAMIC SELECTとG-ROAR
ドライブ、サスペンション、ステアリングの設定を統合制御するDYNAMIC SELECTを採用。G 580では、「Comfort」、「Sport」、カスタマイズしたオリジナルセッティングを保存できる「Individual」、オフロード専用プログラムである「Trail」、「Rock」の計5つの走行モードによって、ダイナミックなスポーツ走行からコンフォート クルージング、ハードなオフロード走行まで、車両の特性を切り替えられるという。

G-ROARは、G580のための特別なサウンドで乗車体験を高めるというもの。V8サウンドにインスパイアされたという、G580だけのドライビングサウンドを車内外で再生。サウンドは加速や車速、モーター負荷、騒音レベル、DYNAMIC SELECTのモードに応じて変化し、他の電気自動車とは全く異なる走行体験をもたらすとのこと。

このほか、360°カメラシステムの映像からメディアディスプレイに車両前側下部の路面イメージを仮想的に表示するトランスペアレントボンネット、オフロード走行を視覚的にサポートするオフロードコックピットなどが装備されている。

電動モデルらしさを表現したエクステリアとインテリア
スクエアなボディを基本とするGクラス伝統のスタイリングはそのままに、後端を持ち上げたボンネットフード、リアホイールアーチに加えられたエアカーテンなど、随所に電気自動車専用のディテールがあしらわれている。テールゲートにはスペアタイヤではなく、デザインボックスが備わる。これは電気自動車ならではの特徴となるものだが、その中には充電ケーブルや工具などが収納可能。

今回導入されるG580はAMGラインパッケージが標準装備となる他、ナイトパッケージやEdition 1専用ブラックペイントを施した20インチAMGアルミホイール、ブルーアクセントをあしらったサイドストリップライン、ブルーブレーキキャリパーなど、数多くのEdition 1専用装備が備わる。

また、LEDライトバンドとブラックのパネルがフロントマスクに表情を与えるブラックパネルラジエターグリルをオプション設定(ブラックエクステリアパッケージ装着時に装備)。丸型ヘッドライトと融合したブラックパネルデザインが、Gクラスの電気自動車であると印象付けることが狙いとされている。

室内もGクラス伝統のデザインを踏襲しつつ、特徴的なデフロック機能のスイッチ周辺は専用に再設計されている。また、MBUXや最新世代のマルチファンクションステアリングホイール、キーレスゴー、Burmester 3Dサラウンドサウンドシステムなど、最新の装備も取り入れられた。リアのラゲッジルームは容量620〜1,990L、リアシートは60:40の分割可倒式となる。

 

なお、今回導入されるG580はAMGラインパッケージおよびナッパレザーシートやナッパレザーダッシュボード、MICROCUTルーフライナーなどが標準装備。また、Edition 1専用装備として、ステアリングやシート、ダッシュボードなどにブルーステッチが施される他、インテリアトリムにはブルーアクセントが織り込まれたAMGカーボンファイバーインテリアトリム(ブルーアクセント)を採用。

MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)
対話型インフォテインメントシステム「MBUX」(NTG7)を搭載。ボイスコントロールは 「ハイ メルセデス」をキーワードとして起動、声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ 入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応する。音声認識だけではなくタッチスクリーンやタッチコントロールボタンでも様々な操作が可能だ。

パーソナライゼーション機能では、ユーザー個々のプロファイルを作成し、運転席のシートメモリーやミラー位置、アンビエントライトのカラー設定その他の機能が保存可能。

また、よりシンプルかつ柔軟な新しいユーザーインターフェースであるという、ゼロレイヤーを採用。ユーザーの習慣や状況に応じて、各種情報や機能を流動的かつ予測的に表示するという。トップ画面上に必要な情報や機能が必要な時に表示されるため、操作負担が大幅に低減されるとのこと。

ナビゲーション画面には、車両の前面に広がる現実の景色がその一部に映し出され、その進むべき道路に矢印が表示されるAR (Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションを標準装備。これにより、直感的にどの道路に進むべきかが判断できるという。

最新機能を採用して充実した快適装備
Gクラスならではの特徴的なインテリアはそのままに、最新装備・機能や上質なマテリアルを数多く取り入れて、高い先進性と利便性を実現したという。以下はその具体例。

■フロントシート
シルバーパール/ブラックのナッパレザーシート(ブルーステッチ付)を標準装備。また、シートヒーター(前席)に加え、リラクゼーション機能/シートベンチレーター(前席)やエナジャイジングパッケージプラスも備わる。

■リアシート
前席同様にナッパレザー仕様、シートヒーター(後席)やバックレストの角度を調節可能なカーゴポジションも備わる。このカーゴポジションは、バックレストを後ろに倒すことで居住性を確保、一方前に起こした状態ではリアシートを格納することなくラゲッジ容量を拡大できるという。

■マルチファンクションステアリング
ナッパレザー製ステアリングホイールには、ナビゲーションやインストルメントクラスター内の各種設定、安全運転支援システムの設定を手元で完結できる機能性も付与されている。また、静電容量式センサーを備えたパッドを採用し、ステアリングホイールにかかるトルクがなくてもドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、ディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手が向上しているとのことだ。さらにステアリングヒーターも標準装備。

■Burmester 3Dサラウンドサウンドシステム
三次元のサウンドに対応するというBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムを標準装備。18個のスピーカー、16チャンネル、合計出力760Wのオーディオシステムで、自然で心地良いサウンドと力強い音響を両立しているという。ルーフライナーにはアンビエントライト付ラウドスピーカーを装着。

このほか、温冷機能付カップホルダー(前席)やワイヤレスチャージング(フロント)、キーレスゴーなどが装備される。

インテリジェントドライブとサポートプログラム
G580には、新しい世代の運転支援機能「ドライビングアシスタンスパッケージ」が備わり、高度な安全性と快適性を提供するという。このパッケージにはアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックの再発進機能やアクティブステアリングアシスト、アクティブエマージェンシーストップアシスト、ブラインドスポット アシストの降車時警告機能などを搭載。

その他、ドライバーの負担を減らす機能や様々な状況下で事故を未然に防ぐ機能、事故を避けられない場合に最大限乗員を保護する機能などが備わっているとのことだ。

フロントには片側84個のLEDを使用したマルチビームLEDヘッドライトを標準装備。インテリジェントなライト機能により道路状況に応じて配光をコントロール、最大限の視界を確保、対向車や前走車などを検知し照射範囲を調節するアダプティブハイビームアシスト・プラスも備わるとしている。

また、はじめて電気自動車の保有を検討されるユーザーの不安を一掃する、安心プログラムが用意されている。

EQケア……新車購入から5年間または10万kmのいずれか早い方まで、一般保証修理/定期メンテナンス(点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポートが無償で提供される保証プログラム。高電圧バッテリーは8年16万km以内での保証を付帯。

Mercedes me Charge……納車時に車載される専用の充電カードを使用し、全国約22,100基の提携充電器が利用可能。申込みから1年間は月額基本料金および充電料金が無料。

メーカー希望小売価格(税込)は26,350,000円、ステアリング位置は右/左の両方が用意されている。

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