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進化型「GRカローラ」日本導入、3月3日発売!内装にこだわったスポーツパッケージやサーキットモードを設定!

進化型GRカローラ

新開発8速ATを搭載

TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、モータースポーツ参戦からの学びを生かして進化したというGRカローラを、2月4日より全国のトヨタ車両販売店にて注文を受け付け、3月3日より発売する。メーカー希望小売価格(税込)は、GR-DAT(8AT)が5,980,000円、6MT(4WD)が5,680,000円。

このモデルは、2024年8月2日に米国で発表した進化型GRカローラの日本仕様車だ。進化型では、スーパー耐久シリーズなどのモータースポーツに参戦する中で得た学びを生かし、高速コーナーでの旋回性能、加速性能や冷却性能などを改良したほか、進化型GRヤリスにも採用した新開発8速ATのGAZOO Racing Direct Automatic Transmission(GR-DAT)を追加設定している。日本仕様独自の内容を説明する前に、この進化内容についてまず述べておこう。

GRカローラの主な改良内容
【旋回性能の進化】
前後ショックアブソーバーにリバウンド側で作動するスプリングを内蔵し、旋回時の車両姿勢と内輪の接地荷重特性を改善、旋回中の車両安定性向上を図っている。さらに、リヤアクスルの回転中心であるトレーリングアーム取付点を上げ、加速時のリヤの沈み込みを低減、アクセル操作に対する車両姿勢変化を抑えることで、駆動力の応答性を向上させるとともに、安定した姿勢でのコーナーリング実現を狙いとした。

また、リヤのコイルスプリングとスタビライザーのばね特性を見直し、それぞれのロール剛性の分担率を最適化することで、旋回時のリヤタイヤの接地性を向上させ、車両コントロール性を高めたという。

【加速性能の進化】
スポーツ走行でのエンジン使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がり加速に重要な中速域でのエンジントルクを現行型に対して30N・m増加させ、最大トルクを400N・mまで高めたとしている。

さらに、進化型GRヤリスにも採用した、世界トップレベルの変速スピードを目指したという新開発8速ATのGR-DATを搭載。従来は減速度や車両速度などの車両状態に基づき変速させていたところを、ブレーキの踏み込み方・抜き方、アクセル操作まで細かくモニタリングすることで、運転状況を先読みし、プロドライバーによるシフト操作と同じようなタイミングでのギヤ選択を実現したとのこと。

【冷却性能と空力性能の進化】
GR-DAT搭載車には、エンジン始動時の暖気促進も兼ねるという水冷式ATFウォーマー&クーラーに加え、空冷式ATFクーラーを標準装備。またスポーツ走行を考慮して、エンジン冷却を強化するためにサブラジエーターを設定した。空冷式ATFクーラー前のロアグリルには冷却用の開口を設定。フロントバンパー側面のサイドダクトに空気の排出用の開口を設け、冷却用の空気をスムーズに排出できる構造を目指している。

より安定した制動力の確保を目的にブレーキダクトも採用。フロントブレーキローターに直接風を導いて冷却効果を向上することで、ブレーキ温度上昇の抑制を図った。画像(左)はA:サブラジエーター/B:ブレーキダクト/C:ラジエーターグリル/D:インタークーラー/E:空冷ATFクーラー

さらに、バンパーコーナー部へ安定的に小さな乱気流を発生させるという小さな段差を設定。これはバンパーコーナー部からの空気の剥離を抑制する目的のもので、冷却性能強化のため必要な各機構を追加しつつ操縦安定性を確保したという。また、空気をスムーズに排出するというサイドダクトを設定。ATFクーラーから排出された空気が、サイドの空気の流れを乱すことなく後方へ流れるよう計算された突起形状を採用しているとのことだ。

【減速性能の進化】
限界領域でも安全安心で懐の深いクルマに近づけるため、ABSを改良したという。上下GセンサーによりABS作動輪の接地荷重をモニタリングすることで、ABS作動時の安定した制動力実現を狙いとした。

【クルマとの一体感の進化】
ステアリングコラムとインストルメントパネルリインフォースメントの締結部に、締結剛性が高いとされる溝付ワッシャーボルトを採用。直進安定性とステアリング操作に対するダイレクト感を向上させたという。

また、シャシー部品の締結ボルトの一部にも、締結剛性が高いという特別なボルトを採用。ロアアームとロアボールジョイントの締結部はステアリング操作に対する応答性を、リアショックアブソーバーとボディの締結部はステアリング操作に対するリヤのグリップ感を、それぞれ向上させるとしている。

さらに、クラッチペダルの操作性向上を目的として、クラッチシステムのトータルレバー比やクラッチカバー、ターンオーバースプリングの荷重特性を最適化したという。ピーク踏力を高めに設定し、踏みごたえのあるペダル操作フィーリングとしたほか、ピーク踏力以降は、ペダルストロークでの踏力を減少させることでペダルの踏み切り感を向上させたとしている。

さらにスポーティな操作感となるようにクラッチ特性を最適化、戻し側の荷重増加により足への追従性を、半クラッチストロークの短縮により操作性を、それぞれ向上させたとのことだ。

日本仕様ならではの進化内容
上記改良内容に加えて、日本仕様では独自の進化内容が採用されている。そのひとつが、よりスポーティで上質感のある内装にこだわったというSPORT Packageの存在だ。これは、下の表の内容をメーカーパッケージオプションとして設定したもの。

もうひとつは、公道では味わえない躍動感を得られるという「サーキットモード」の設定。これは、国内のサービス対象サーキット・施設において、アンチラグ制御の追加やスピードリミッター上限速度の引き上げなど、クルマのポテンシャルを引き出す機能が有効となるサービスとのこと。

GPSによる位置判定および専用アプリ上での操作により、シフトタイミングやエンジン回転数を直感的に示す専用メーター表示に切り替わり、サーキットモード(下記内容)が利用可能となる。

また、すでにGRカローラを購入しているユーザーにも、今回の進化型GRカローラの部品を購入・装着することが可能となる予定だという。

・アップグレードSTEP① 締結剛性向上ボルトセット(ステアリングコラムやリアショックアブソーバーなどの締結ボルト)

・アップグレードSTEP② 旋回性能向上サスペンションセット(ロアアーム×ロアボールジョイントの取り付けボルト、リバウンドスプリング付きフロント/リアショックアブソーバー、リヤスタビライザー、リヤコイルスプリング)

といった内容で、2025年夏頃の発売を予定している(価格未定)とのことである。

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