この時期のAMTアーテルを支えた柱、ジョン・ミューラーと彼のチーム・ダイアーズヴィルの代表的傑作をひとつ選べといわれたら、筆者は迷わずこの’68エルカミーノSS396(品番8017、1998年)を選ぶ。正統派スーパーカー/マッスルカーのシボレー代表をシェベルとするならば、その双生児であるエルカミーノは無視することができない脚註であり、シェベルともどもアニュアルキット時代に残された大きな欠けは、いつか必ず補完を果たすべき重要課題だった。1990年代はそれがついにはじまった時代だったわけだ。
写真:秦 正史(ご提供画像除く)