貧相な紙箱は、かえって購入者の心をくすぐるものとなった。箱の側面はどちらも完全に同じデザインである。価値あるものだと知っていなければ誰も買わないようなパッケージ。商品知識がたとえ又聞きによるものであっても、それを知って語れることに意味があった。この構図は驚くほど福音伝道に似ていた。福音を伝えるモデルキングは、現在のラウンド2に先立つ流通出身の「アメリカンカープラモの擁護者」であり、アメリカンカープラモならばなんでも大好きという好事家の顔を持っていた。
写真:秦 正史(ご提供画像除く)