カウチに寝そべってプラモ批評に余念がない、そんなあり方を捨てて彼は行動を起こし、再販プロジェクトを自ら企画してメーカーに持ち込むロビイストであり、同時に停滞する市場への強力な触媒でもあった。アメリカンカープラモの父と呼びうるジョージ・トテフがひとつの限界を迎えた頃に、こうした次世代のアクティビストが新たに登場したことはたいへん興味深い。次に紹介するホビーヘブンもまた、モデルキングのやり方に倣う流通のひとつだった。これは箱の小口、いかに手間をかけずにデザインされたものかがよく分かるだろう。
写真:秦 正史(ご提供画像除く)