
ドイツではPHEVのみの販売でエントリーモデルの価格は約740万円!
1997年に発売されてからいまも変わらず老若男女問わず大人気で、多い月には一万台以上も売れているトヨタのプリウス。エコで燃費の良さが売りのこのクルマは、日本のハイブリッド車両を代表するモデルで、発売から五代目の現行モデルまでとても愛されているモデルのひとつですよね。

ミュンヘンでは非常に稀少車のプリウス
ドイツの地域によっても多少変わるかとは思いますが、私の住むミュンヘンではプリウスがほとんど走っておらず、1年にわずか数回程度しか見掛ける機会はありません。昨年発売となった新型においてはまだ一度も公道で見掛けた事はなく、実際のところポルシェの方がプリウスよりも多いくらいです(笑)。その一方でプリウスの仲間の『プリウスプラス』という車種は最近タクシー車両として非常に増えており、その走る姿を見ない日はないといっても過言ではありません。
【画像17枚】ドイツでトヨタプリウスはなぜ売れていないのか?
では、なぜドイツではプリウスがマイナーなのでしょうか? 第一に考えられるのは、その車両価格の高額さだと思います。日本では様々な種類のプリウスが販売されており、消費者にはその中から幾つもの選択肢が用意されていますが、ドイツでは2LのI-4シリンダー+電気モーターのプラグインハイブリッドの一択です。その中でも『Basis』が45.990ユーロ~(約740万円)、『Executive』 47.990ユーロ(約780万円)、『Advancede』53.490ユーロ(約860万円)と三種類のグレードに分かれていますが、そもそも一番お手軽な『Basis』でも車両基本価格が約740万円に衝撃を受けました。もはや庶民が購入出来る価格からかけ離れてしまっていますよね。輸入関税や輸送費等も含まれているのは仕方がないとはいえ、ほぼドイツ御三家のフラッグシップモデルの車両価格とほぼ同じです。
ちなみにドイツ御三家のそれぞれフラッグシップモデルのセダンの付加価値税19%込みの車両本体基本価格は以下の通りです。
メルセデス・ベンツ:C180 48.028,40ユーロ(約770万円)
BMW:318i 48.660ユーロ(約780万円)
アウディ A4 35 TFSI:41.800ユーロ(約670万円)
急速充電に対応していないとの事で、これをドイツでフル充電するのは約4時間が必要となる事から急いでいる方には厳しそうですよね。また後部座席の天井の低さもネックとなっているようです。ドイツの男性の平均身長は日本人男性よりもやや高く178.9cmですが、180cm以上の方もかなり多くいらっしゃいます。リウスのデザイン上高身長の方が後部座席に座られると天井に頭が突っかえて長時間座り続けるのはしんどそうです。
昨年発売となった五代目プリウスは『World Car Design Of The Year 2024』をはじめとする様々な賞を獲得しました。特にデザイン性や安全性の高さが世界から高く評価されているだけに、ドイツでの販売台数の少なさになんだかちょっと腑に落ちない気分です。
ドイツではプラグインハイブリッド自体は2019年末頃から徐々に増えてきましたし、街で見掛ける機会も増えましたが、プリウスの数はなかなか増えません。
直近では2025年の1月のドイツでのプリウスの登記台数はたったの22台で、この月にドイツ全体で登記された207.640台の中の僅か0.06%です。この中には正規ディーラーや販売店、トヨタ ドイチュランドが自社で登記した数も入っている可能性がありますので、実際に販売された数は22台よりも少ないかも知れません。
2月は更に少なく、ドイツ全体で新車登記された数は僅か10台で、総新規登記台数の0.05%です。
ドイツには速度制限解除、いわゆる速度無制限で走行が可能なアウトバーンがあります。ハイブリッドは都市部では非常に素晴らしい燃費を誇りますが、ドイツのアウトバーンを主にご利用なさる方にははなかなか燃費は厳しい部分もありますので、ライフスタイルに合ったクルマ選びで燃費を押さえたいものですね。
2月は更に少なく、ドイツ全体で新車登記された数は僅か10台で、総新規登記台数の0.05%です。
ドイツには速度制限解除、いわゆる速度無制限で走行が可能なアウトバーンがあります。ハイブリッドは都市部では非常に素晴らしい燃費を誇りますが、ドイツのアウトバーンを主にご利用なさる方にははなかなか燃費は厳しい部分もありますので、ライフスタイルに合ったクルマ選びで燃費を押さえたいものですね。2月は更に少なく、
ドイツにはアウディ、BMW、メルセデス・ベンツの御三家の他にもフォルクスワーゲン、オペル、ドイツ フォードをはじめとした自動車メーカーがあります。その上、2022年3月にはドイツのベルリン郊外の巨大ファクトリーで生産されたテスラのデリバリーが開始する等、自国の中にも数多くの選択肢があるドイツですが、最近は特に韓国や中国車の勢いに日本車も押され気味です。ホンダは1961年、トヨタが1971年、スズキは1976年、日産が1978年と、ドイツへ日本の自動車メーカーが進出したのは1960年代から70年代とありドイツでの知名度や認知度、クオリティの評価は強く根付いていますし、ドイツの自動車メーカー関係者らからは一目置かれている存在という事は間違いないでしょう。しかし、韓国や中国らのメーカーとの激しい価格競争ではとても厳しさを強いられているのではないでしょうか。
自動車に関わらず、少し前のドイツでは白物家電やオーディオなど、日本製品は圧倒的な品質やデザインと価格で評価されていましたが、いまや家電部門でも中国や韓国メーカーが占めており、日本製品を店頭で見掛ける事が非常に少なくなったのはとても残念な限りです。