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ランチアがついにラリー復帰! 新型「イプシロン・ラリー4 HF」のワンメイクカップが「タルガ・フローリオ」で初開催

ランチア イプシロン・ラリー4 HFとミキ・ビアシオン

新生ランチアによる「トロフェオ・ランチア・カップ」が本格始動

ステランティス・グループのもとブランドの再構築を行っているランチアは、2025年5月9日(金)~10日(土)、世界最古のレースのひとつである「タルガ・フローリオ」において新型「イプシロン」をベースとしたラリーマシン「イプシロン・ラリー4 HF」による公式ワンメイク・シリーズの「トロフェオ・ランチア・カップ」を初開催した。

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伝説のミキ・ビアシオンがチューンした最新ラリーカー

新生ランチアの最初のモデルである現行型・4代目イプシロンは2024年2月にデビューし、市販モデルとしては現在、BEVとハイブリッドの2種類がラインナップされている。その一方、かつて「ストラトス」「037」「デルタ」といったマシンたちがWRCで築き上げたモータースポーツも今後ランチアは強化していく構えで、ラリー競技用マシン「イプシロン・ラリー4 HF」を開発した。

このラリー4 HFはガソリンエンジン車で、最高出力212psを発揮する1.2L直列3気筒ターボユニットにSADEV 5速ギアボックスを組み合わせる。足まわりにはオーリンズ製3ウェイ・アジャスタブル・ショックアブソーバーを備えたマクファーソン・ストラット・サスペンションと、φ330mmのベンチレーテッド・ディスク・ブレーキが奢られ、そこにミシュラン・パイロットスポーツ・シリーズの高性能タイヤを装着する。軽量・高剛性のシャシーと機械式LSDによって、FFレイアウトのポテンシャルが最大限に引き出されるという。

特筆すべきは、1980年代~1990年代にランチア・デルタを駆ってWRCで輝かしい戦績を残したレジェンド・ドライバーのミキ・ビアシオンがイプシロン・ラリー4 HFのファインチューニングを担当したことだろう。2025年1月の発売以来、すでに90台以上が販売されているそうだ。

ランチア イプシロン・ラリー4 HF

優勝者は2026年ERCのランチア公式チームに参加

イタリアのシチリア島で行なわれるタルガ・フローリオは1906年に第1回が開催された世界最古の自動車レースのひとつであり、ランチアにとっては、1952年から1992年にかけて15回もの総合優勝を飾った記念碑的なレースでもある。
第109回タルガ・フローリオの中で開催された第1回トロフェオ・ランチア・カップには19名のドライバーがイプシロン・ラリー4 HFのステアリングを握って参加し、13名のアンダー35ドライバーが2026年ヨーロッパラリー選手権(ERC)のランチア公式チームに参加する権利の座を争った。
過酷なタルガ・フローリオにおいてイプシロン・ラリー4 HFは、パワーとトラクションのバランス、方向転換時の応答性、高速走行時の安定性などで際だった信頼性の高さを示し、エモーショナルな走りをアピールしたという。

次回のトロフェオ・ランチア・カップは、5月30日~31日にイタリアン・アブソリュートラリー選手権(CIAR SPARCO)の第4ステージであるラリー・ドゥエ・ヴァッリで開催。2025年は全6戦を予定しており、10月17日~18日のラリー・サンレモでグランドフィナーレを迎え、カップの賞金は36万ユーロとなっている。

LE VOLANT web編集部

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