「神は細部に宿る」とは、手垢にまみれた言葉ではあるがやはり真実だ。メビウスのキットにはこの言葉とともに紹介したくなる部分が多々あるが、ここではほんの些細な部分をお見せしておこう。ラジエターである。注目いただきたいのはキャップ部分で、大抵のキットならラジエター上部にそれらしきモールドがべったりと張り付いた形で成型されているものだが、このパーツはこの通り、筒状の注水口があって、その上にキャップが締まっている、というかたちが再現されているのである。数多あるエンジン付きキットでも、こんなところに気を使っている例は見たことがない。
写真:羽田 洋、秦 正史