同じメビウスのベルヴェディアⅠや、あるいはリンドバーグの1964年型ダッジ330などとボディーの出来や細部形状を比べてみるのも一興だろう。リアエンドのコーナー部に沿って配置された縦型テールは、1962年型で慌てて加えられたフルサイズ・ダッジの880、そのベースとなった同年型クライスラーのそれを引き継いだデザインだ(第22回参照)。なお、メビウスのコロネットおよびベルヴェディアⅠ/サテライトは、フロントウィンドウ上部ラインの中央が上に持ち上がりすぎていて、そこに若干の違和感がなくもない。前述のラインの曲率の違いはこれが原因である。
写真:羽田 洋、秦 正史