
軽の常識を覆す先進性と広大な室内空間で業界に一石を投じる
日産自動車は2025年8月22日、今秋の発売を予定している新型軽自動車「ルークス(ROOX)」を先行公開した。軽自動車市場で最も競争が激しいとされるスーパーハイトワゴンカテゴリーにおいて、新たなスタンダードを打ち立てるべく投入される意欲作で、メーカー希望小売価格(税込)は160万円台からとなる見込みだ。先代に続き、日産と三菱自動車工業の合弁会社NMKVのマネジメントのもと、日産が企画・開発を主導したこの新型モデルの特徴をご紹介しよう。
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「かどまる四角」をモチーフにしたデザインコンセプトでぬくもり感と遊び心を表現
新型ルークスの象徴となるデザインモチーフが「かどまる四角」だ。ヘッドライトやリアコンビネーションランプ、ドアハンドル、ホイールといったエクステリアの随所に取り入れられたこのモチーフは、広さを象徴する「四角」のかどを「まるく」することで、新型ルークスが持つぬくもり感と遊び心を巧みに表現している。
ボディカラーには、日本の伝統建築様式「唐破風」から着想を得た、フードを含むベルトライン下から塗り分けられた日産初となるユニークな2トーンカラーを新たに設定。新色の「セラドングリーン」などを加えた全17通りの多彩なカラーバリエーションが用意され、ユーザーの多様な個性に寄り添う。
インテリアは「Breeze(そよかぜ)」をコンセプトに、まるで自宅のリビングにいるかのような心地よい空間の実現を目指した。「縁側」や「ハンモック」といったキーワードを基にデザインされ、数値以上の解放感をもたらす。ここでも「かどまる四角」のモチーフがヘッドレストやスピードメーターなどに採用され、内外装のデザインに一貫性を持たせている。
新型ルークスの最大の魅力は、その圧倒的な室内空間だ。室内長は前型モデルから115mmも拡大され、クラストップとなる2315mmを実現。後席のニールームも前型同様クラストップの795mmを確保しており、大人がゆったりと足を組めるだけでなく、小さな子どもが立ったまま着替えることも可能なほどの余裕を誇る。荷室も同様にクラストップの最大長675mmを確保し、48Lのスーツケースを4個同時に積載した状態でも、大人4人が広々と快適に過ごせる空間を作り上げた。
使い勝手においても、スーパーハイトワゴンとしての利便性を徹底的に追求している。後席スライドドアは、クラストップとなる650mmの開口幅を確保。さらに、ミニバンのセレナと同じサイズの大型乗降用グリップを備えることで、子どもから高齢者まで、誰もがスムーズに乗り降りできる設計となっている。後席シートは最大320mmというクラストップのスライド量を誇り、運転席から後席の子どものケアをしたり、荷室側からワンアクションでシートをスライドさせたりと、多彩なシーンに対応する。収納も大幅に進化しており、角型紙パック対応のカップホルダーや、スマートフォンなどを置けるスライドボックス、メーター裏の蓋付き収納など、かゆいところに手が届く工夫が満載だ。
ワンクラス上のデジタル装備で安心感を提供
そして、このクラスの概念を覆すのが、軽自動車として初めて採用された12.3インチの大型統合型インターフェースディスプレイだ。インストゥルメントパネル中央に据えられたこのディスプレイは、シームレスな情報提供を可能にし、クラスを超えた先進性と上質感を演出する。
システム面も大きく進化した。ルークスとして初めてメーカーオプション設定された「NissanConnectインフォテインメントシステム」はGoogleを搭載。「Google マップ」や「Google アシスタント」などが利用可能となり、スマートフォンライクな操作性で多彩な情報とエンターテインメントにシームレスに接続できる。
快適な移動空間の実現にも抜かりはない。エンジンは燃費性能と静粛性をさらに改善。加えて、防音効果のある遮音シートや高機能吸音材をドアやタイヤ周りに採用することで、車外からの騒音の侵入を抑制し、走行中でも会話が弾む静かな室内を実現した。シートには、柔らかい肌触りのメランジ生地を採用し、自宅のソファのような快適性を追求。後席は着座面の接地面積を拡大し、振動吸収性に優れる高密度のウレタンを用いることで、走行中の体の揺れを抑え、長距離移動でも疲れにくい優れた座り心地を提供している。
そして、新型ルークスを語る上で欠かせないのが、さらに進化した運転支援技術である。好評の「インテリジェント アラウンドビューモニター」には、軽自動車初となる車体下の映像を生成する「インビジブルフードビュー」や、車両周辺を3D映像で直感的に確認できる「3Dビュー」など3つの新機能が追加された。
これにより、駐車時や見通しの悪い交差点などでの“見えない不安”を徹底的に排除する。また、衝突被害軽減ブレーキは交差点での歩行者や対向車検知にも対応。さらに、軽自動車初となる車線変更時の後側方車両との接触回避を支援する「インテリジェント BSI」や、軽スーパーハイトワゴン初となる「BSW(後側方車両検知警報)」、「RCTA(後退時車両検知警報)」などを搭載し、軽自動車として最高レベルの安全性能を実現している。
軽自動車において最も競争率の高いジャンルに投入される新型ルークスは、デザイン、広さ、使い勝手、快適性、そして安全性のすべてにおいて、軽自動車の新たなスタンダードを提示する1台と言えるだろう。今週のデビューが今から待ち遠しい。
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