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「初代カイエン」の頂点が決定。ポルシェ公式カスタムコンテスト、王者はガルフカラーのオーバーランド仕様【カナダ発】

ポルシェセンター・バンクーバーが顧客と緊密に協力して製作した、2008年式のカイエンターボ
ポルシェ・カーズ・カナダが2025年9月17日に開催した「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」
ポルシェ・カーズ・カナダが2025年9月17日に開催した「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」
ポルシェ・カーズ・カナダが2025年9月17日に開催した「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」
ポルシェセンター・バンクーバーが顧客と緊密に協力して製作した、2008年式のカイエンターボ
ポルシェセンター・バンクーバーが顧客と緊密に協力して製作した、2008年式のカイエンターボ
ポルシェセンター・バンクーバーが顧客と緊密に協力して製作した、2008年式のカイエンターボ
ポルシェ・カーズ・カナダが2025年9月17日に開催した「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」
ポルシェ・ローゾンがオーバーランド仕様に仕立てた2008年式カイエンS
ポルシェ・カーズ・カナダが2025年9月17日に開催した「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」
ポルシェセンター・ビクトリアの2008年式カイエンターボ
ポルシェ・カーズ・カナダが2025年9月17日に開催した「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」
ポルシェセンター・ケベックが手掛けた2004年式のカイエンターボ
ポルシェ・カーズ・カナダが2025年9月17日に開催した「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」
ポルシェセンター・マーカムがアップデートした2009年式のカイエン

初代カイエンの新たな魅力を競う、クラフトマンシップの祭典

ポルシェ・カーズ・カナダは2025年9月17日、恒例の「ポルシェ・クラシック・レストレーション・コンペティション」の2025年度の受賞者を発表した。今年で4回目を迎えるこのコンペティションは、カナダ国内のポルシェセンターがその技術力と情熱を注ぎ込み、クラシックモデルを新車同様の状態に復元する技術と創造性を競うものだ。

【画像14枚】ガルフカラーから先住民アート、狩猟仕様まで。個性爆発の「初代カイエン」カスタム、受賞車両を一挙公開

カナダ全土から17台の個性派カイエンがPEC新拠点に集結

2025年のテーマに選ばれたのは、2002年に登場した初代「カイエン」だ。ポルシェ初のSUVとして市場に投入され、カナダにおいても早々にベストセラーモデルとしての地位を確立したカイエンは、ブランドの歴史において重要な転換点となったモデルである。参加したカナダ全土の17チームは、この初代カイエンをベースに、過酷なオフローダーや山岳仕様、さらにはサーキット走行を主眼に置いたハイパフォーマンスSUVなど、それぞれのユニークなビジョンを具現化させた。

最終選考の舞台となったのは、今年6月にオープンしたばかりの「ポルシェ・エクスペリエンス・センター(PEC)トロント」である。9月14日に開催された同施設の「カーズ&コーヒー」イベントには多くのゲストが訪れ、華やかな雰囲気の中で各賞の発表が行われた。専門家パネルによる選考に加え、一般からの人気投票やイベント来場者による投票も行われ、多様な視点から優れたレストア車両が選出された。

栄冠はガルフカラーのオーバーランダーに。伝説を纏った2008年式カイエンターボ

コンペティションの最高峰である「ナショナルチャンピオン」の栄誉に輝いたのは、ポルシェセンター・バンクーバーが顧客と緊密に協力して製作した、2008年式のカイエンターボであった。この車両は、伝説的なガルフ・レーシングのカラーリングを彷彿とさせる鮮やかなライトブルーとオレンジの塗装が施され、サイドにはブリティッシュコロンビア州の地図が描かれているのが特徴だ。

内装は、コイーバ色のレザーと、白、黒、オレンジで構成された千鳥格子(ペピータ)柄のファブリックを組み合わせた特注品で、見る者を圧倒する仕上がりとなっている。ルーフライニングにはポルシェのクレストがエンボス加工された高品質なRace-Tex素材が使用され、フロアマットもカスタムメイドされるなど、細部にまでこだわりが尽くされている。推定1000時間を費やしたというこのプロジェクトは、内外装の美しさだけでなく、大規模なメカニカルリフレッシュやサスペンションのアップグレード、ルーフラック、ウィンチ、補助照明といった本格的なオーバーランド装備も備えている。

東地区の覇者: ポルシェ・ローゾンが手掛けた本格オフローダー

地域ごとの優秀な作品に贈られる賞では、「ベスト・イン・イースト」をポルシェ・ローゾンが受賞した。2008年式カイエンSをベースに、ポルシェのパフォーマンスとオフロード性能を融合させたオーバーランド仕様車を製作。3インチのサスペンションリフト、カスタムラッピング、ヘビーデューティタイヤ、ルーフマウントされたユーティリティギア、遠隔操作可能な照明システムなどが装備され、創造性と冒険心を体現した一台となっている。

西地区の覇者: 先住民アートと融合した唯一無二のカイエン

「ベスト・イン・ウエスト」は、ポルシェセンター・ビクトリアの2008年式カイエンターボが獲得した。このプロジェクトは、カナダ西海岸の先住民族コースト・セイリッシュのアーティスト、ルーク・マストン氏との共同作業でデザインされた点が最大の特徴である。家族で旅をするシャチや、ボンネットに描かれたワタリガラスと太陽など、彼の文化的なストーリーテリングが車両の随所にアートワークとして施されている。

さらに、ルーフラックには特注でペイントされたダグアウト・レースカヌーが搭載されており、その世界観は唯一無二のものである。インフォテインメントシステムには最新の「ポルシェ・クラシック・コミュニケーション・マネージメント・プラス」が導入され、現代的な利便性も確保されている。

表現力を評価: 短編映画で冒険心を伝えたポルシェセンター・ケベック

車両の魅力を伝えるマーケティング手法が評価される「マーケティングアワード」は、ポルシェセンター・ケベックの手に渡った。2004年式のカイエンターボをベースに、大径タイヤやルーフラック、ラリーライトを装備し、探検マシンへと変貌させた。「Au-delà des routes(道を超えて)」と題された短編映画を制作し、ケベックの荒野を疾走するカイエンの姿を通して、ポルシェの卓越したエンジニアリングと冒険心を cinematic に表現した点が高く評価された。

ファンが選んだ二冠: 現代に蘇った狩猟仕様「ヤークトワーゲン」

そして、一般のファンからの支持を最も集めた車両に贈られる「ポピュラーボートアワード」と、イベント来場者の投票で決まる「アテンディーズチョイスアワード」の二冠を達成したのは、ポルシェセンター・マーカムであった。Instagramでの一般投票と、イベント当日の来場者投票の両方で最も多くの票を集めたこの車両は、かつてポルシェが製作した狩猟用車両「ヤークトワーゲン」からインスピレーションを得たプロジェクトである。

2009年式のカイエンをベースに、アップグレードされたホイールとタイヤ、ビルシュタイン製サスペンション、アンダーボディのスキッドプレート、強力なウィンチ、そして長期遠征をサポートするためのカスタム収納コンパートメントを備え、オフロード走破能力を極限まで高めている。

ヘリテージを未来へ。ポルシェの情熱が示す新たな地平

今回のコンペティションは、単なるレストア技術を競うだけでなく、初代カイエンというモデルが持つ多様な可能性を改めて浮き彫りにした。各ポルシェセンターの情熱と創造性によって、ラグジュアリーSUVは時にアートとなり、時に冒険の相棒となり得るのだ。そして、世界で10番目、北米では3番目となる最新のブランド発信拠点、PECトロントがその舞台となったことは、ポルシェのヘリテージを未来へと繋いでいくという強い意志の表れと言えるだろう。

【画像14枚】ガルフカラーから先住民アート、狩猟仕様まで。個性爆発の「初代カイエン」カスタム、受賞車両を一挙公開

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

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