
こどもサイズの自動車が、手のひらサイズのミニカーに
トミーテックが手掛ける1/64スケール・ミニカー、トミカリミテッド ヴィンテージ(TLV)の、2026年4月の新製品情報が届いたので、気になるアイテムをピックアップしてお伝えしよう。2025年に開園60周年を迎えた「こどもの国」とのコラボ企画として、「ダットサン・ベビイ」が発売されるのだ。
50周年記念の実車復活に続く快挙
「こどもの国」は神奈川県横浜市にある児童厚生施設であり、1965年5月5日に開園した。そのアトラクションのひとつに「こども自動車」というものがあり、そのために製造されたのがダットサン・ベビイであった。このこども自動車は、子供たちのクルマ体験と交通安全教育を目的としたもので、指導を受けて「こども自動車の会会員証」を交付されると、全長1.6キロのコースをダットサン・ベビイで走行することができたのである。
ダットサン・ベビイはその名が示す通り日産自動車が手掛けたもので、ベースとなったのは愛知機械工業(のちの日産車体)の「コニー・グッピー」。199ccの単気筒エンジンを搭載し、トルクコンバーターの2ペダル式を採用、最高速度は30km/h。30km/hを超過するとエンジンは自動停止、逆に20km/hを下回るとエンジンが再始動する仕組みであった。こども自動車ながら本格的な内容を持つこのダットサン・ベビイは8年にわたって活躍、人気を博した。
ほぼハンドメイドで100台が製造されたというこのダットサン・ベビイは、100号車にあたる車両がこどもの国の倉庫に保管されていたのだが、2014年、開園50周年記念として「日産名車再生クラブ」のレストアにより復活している。そして今回、60周年記念として1/64スケール・ミニカー化が実現したのである。
写真で分かる通り、その可愛らしいフォルムが見事に再現されているのは言うまでもないが、実車の小ささ(全長2960mm/全幅1420mm いずれもバンパーガード含む数値)が正確に1/64にスケールダウンされており、手のひらに乗せて、あるいは同スケールの他のミニカーと並べて、そのサイズ感をひしひしと感じることができるのも嬉しいところだ。車両本体のルーフと、車両を保護するバンパーガードはいずれも取り外し可能となっており、またバンパーガードはダイキャスト製となる。
実車のボディカラーは3色が存在したが、ミニカーは白と赤の2色で発売。白は6号車でホイールキャップ装着状態であり、新車当時を再現したものだ。さらに、乗車状態の子供2名と、その姿を写真に収めようとカメラを構える大人1名のフィギュアが付属する。赤は件のレストア車両である100号車をモチーフとし、ホイールキャップなしの復活後の姿のモデル化で、手を引かれる子供2名と手を引く大人1名のフィギュアが付属する。どちらも予価7,480円(税込)、2026年4月発売予定。
なお、写真は全て試作品のため実際の製品とは異なる部分もありうる点、ご注意いただきたい。