可動のようで可動でない再現
前回から開始したトヨタ・スポーツ800制作記の第2回である。今なお最高の再現度を誇りつつ、設計の古さも否定できない旧ニットー(日東科学)金型のフジミ製ヨタハチを、現在ならではの作り方で組み上げてみよう、というのがこの連載の趣旨だが、今回は、前後フードの着脱をどうするかという話題、そしてその工作をお伝えする。(編集部)
【画像27枚】キット本来の単純な着脱式をどのように改めたか確認!
ヒンジは実車のチャームポイントでもある
ヨタハチの前後フードの開閉機構は、旧車によく見られるアウターヒンジ式だ。要するに外付けの蝶番(ちょうつがい)である。こういうディテールは、最近のキットでもボディに一体モールドで済ませているケースが珍しくないが、このキットではわざわざボディとは別体のメッキ部品で再現している。ヨタハチのアウターヒンジは外観上のチャームポイントのひとつでもある。「精密再現」をうたったキットならではのこだわりだ。
しかし、さすがに幅1mmほどの微細な部品であるから、当然ヒンジとして作動はせず、完成時には取り外し式フードにヒンジがくっついた状態となる。1/24スケールのプラモデルにおいて、これは最善の表現であり、そのまま作っても見栄えに問題があるわけではない。
だが、今回の制作テーマは「古い金型のキットを現代の素材や技術でアップデートする」というものだ。こういう細部にこそ、ちょっとした工夫を加えてみたくなる。
ところで、模型におけるフードの開閉機構の再現にはいくつかの考え方がある。
A. 実車と全く同じ機構で開閉する。
B. 実車とは異なる機構で開閉の動作のみを再現する。
C. 開・閉の両状態をともに実車に忠実に再現するが、途中の動きは再現しない。
それぞれに一長一短があるが、どれが正しい、というわけではない。今回はリアリティや完成後の見応えと強度のバランスを考慮して、Cの考え方でいくことにした。

軸は通していないが、ヒンジの凸と凹のフリクションでフードの重量を保持し、開けた状態で固定できる。
蝶番とは凸と凹を噛み合わせて回転軸を通し開閉させるものだが、この凸と凹それぞれをプラ板で自作した。極細の金属線などで軸を通せば、開閉の動きを再現することも可能ではあるが、今回はあえて軸は通さず、開閉の差し替え式とした。
何しろ非常に小さいヒンジである。完成後の強度は保証できず、歳月が経過すれば劣化して脆くなり、何度も動かすことで破損する可能性も高い。それよりも、差し込んだヒンジのフリクションなどで開・閉どちらの状態でも固定できるなら、途中の動きがなくてもリアリティの感じられる模型表現として成立する、というわけである。
次回はヘッドライト周りのアップデート工作をご覧いただく予定だ。どうぞお楽しみに!
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