走る現代アートの競演
BMWは2026年1月21日、芸術と自動車の革新の融合を象徴するとされる「BMWアート・カー・ワールド・ツアー」を2026年も継続することを発表。その開幕としてパリで開催されるクラシックカーの祭典「レトロモビル(Rétromobile)」にて特別展示を行った。
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自動車史・文化史の双方における見逃せない重要性
同ツアーは2025年にコレクション誕生50周年を迎え、5大陸・30か国以上を巡回。世界各地のアートフェアや美術館で200万人以上を動員している。特にアンディ・ウォーホル作「BMW M1」アート・カーが、BMWとして初めて米国の国家遺産登録簿に登録されるなど、2025年は同社にとって自動車史と文化史の双方における重要な1年となった。その成功を受け、2026年のツアーはパリ・エキスポ・ポルト・ド・ヴェルサイユで開催される「レトロモビル」から再始動した。
レトロモビルの開催に先立ち、2026年1月16日から26日までの期間、パリ中心部のオテル・ドゥ・ラ・マリーヌ(Hôtel de la Marine)中庭にて、アレクサンダー・カルダーによる最初のBMWアート・カーが無料公開された。
2026年はカルダーがパリを訪れ、代表作『サーカス』を制作してから100周年にあたる。これを記念し、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンでの回顧展など市内各所で関連イベントが開催されており、BMWの展示はその一環でもあった。
ル・マンを駆け抜けた7台が「伝説のガレージ」に
さて、本題となるレトロモビルだが、2026年1月28日から2月1日まで開催されているこのイベント自体も、50周年の節目を迎えている。また、レトロモビルは今回初めてフランス文化省の後援を受けており、自動車遺産を文化資産として位置づける同イベントの重要性が改めて強調されている。
この記念すべき舞台で、BMWはル・マン24時間レースに参戦した歴代すべてのBMWアート・カー(全7台)を一堂に展示。会場中央には「伝説のガレージ」というコンセプトに基づいた展示エリアが設けられ、以下の車両が公開されている。
アレクサンダー・カルダー/BMW 3.0CSL(1975年)
フランク・ステラ/BMW 3.0CSL(1976年)
ロイ・リキテンスタイン/BMW 320iターボ(1977年)
アンディ・ウォーホル/BMW M1(1979年)
ジェニー・ホルツァー/BMW V12 LMR(1999年)
ジェフ・クーンズ/BMW M3 GT2(2010年)
ジュリー・メレツ/BMW M Hybrid V8(2024年)
以上、鮮烈な色彩のアンディ・ウォーホル車から、大胆なメッセージが施されたジェニー・ホルツァー車まで、モータースポーツと現代アートが交錯する歴史的なラインナップであると言えるだろう。
本イベントの開催にあたり、レトロモビルのディレクターであるロマン・グラボウスキー氏は次のように述べていた。
「1年の待ち時間と準備を経て、数日後の1月28日に第50回レトロモビル・ショーが開幕します。ル・マン24時間レースに参加した7台のBMWアート・カーの展示を公開できることを、これまで以上に心待ちにしています」
また、BMWグループ・フランスCEOのヴァンサン・サリモン氏は以下のようにコメント。
「BMWアート・カー・コレクションの50周年を祝うことは、何よりもまず、半世紀前に芸術とモーターレーシングが初めて融合した際の、先見の明ある大胆さへの賛辞です。この特別な展示は、創造性、革新性、そして遺産が出会うユニークな瞬間を記すものです。これらの走る芸術作品を一堂に集め、一般の方々と共有することは、芸術とモビリティがいかにして共に未来を形作っているかを示しているのです」
今後のツアースケジュール
パリでの展示終了後、BMWアート・カー・ワールド・ツアーはシュトゥットガルトの「レトロ・クラシックス」(2月、エルンスト・フックスとジェフ・クーンズの「走る彫刻」の展示)へと続き、その後はドーハ、香港、トルコ、ルーマニア、ポーランド、デンマーク、スウェーデン、アイルランド、ドイツを巡回する。2026年夏には、ミュンヘンのBMWヴェルト(BMW Welt)での展示も計画されている。
1975年にレーシングドライバーのエルヴェ・プーランとBMWモータースポーツのヨッヘン・ニアパッシュによって開始されたこのプロジェクトは、半世紀を経てなお、BMWの文化活動の象徴として世界的な広がりを見せている。
【ル・ボラン編集部より】
発起人エルヴェ・プーランの情熱から半世紀。BMWアート・カーは単なる「装飾されたクルマ」ではなく、時代の空気と速度への渇望が交錯するキャンバスだ。M Hybrid V8(ジュリー・メレツ)と、伝説のM1(ウォーホル)が一堂に会する意義は深い。それは、テクノロジーの進化と共に歩んできた「駆けぬける歓び」が、工業製品の枠を超え、文化資産として確かに継承されていることの証左である。
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