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964ターボルックに420psのNA。シンガー、75台限定の「Porsche 911 Carrera Cabriolet Reimagined by Singer」を発表

420馬力のNAフラットシックスを搭載した75台限定のオープンスタイル

2026年2月13日、カリフォルニアに本拠を置くシンガー・ヴィークル・デザインは、最新のレストアサービスとなる「Porsche 911 Carrera Cabriolet Reimagined by Singer(ポルシェ911カレラ・カブリオレ リイマジンド・バイ・シンガー)」を発表。これを受け、日本におけるパートナーであるコーンズ・モータース株式会社は2月15日に詳細情報を公開した。1980年代の希少なワイドボディ仕様911カレラ カブリオレに着想を得たこのモデルは、コスワースとの協業による420psの自然吸気エンジンを搭載し、わずか75台のみが限定レストアされる究極のオープンエア・スポーツカーである。

【画像16枚】シンガー・ヴィークル・デザインの最新レストア。現代的にリイマジンされた「911 カレラ カブリオレ」のディテール

伝説的なワイドボディ・カブリオレの再解釈

シンガーが今回焦点を当てたのは、1980年代半ばにポルシェが提供していた、911ターボのワイドボディをまといながら自然吸気エンジンを搭載した「カレラ・カブリオレ」だ。シンガーの創設者ロブ・ディキンソン氏は、当時の車両に範を取り、21世紀に向けてリイマジンされた究極の自然吸気Gモデル911として、進化の新たな章を称えるものだと語っている。

レストアのプロセスは、ドナーとなるポルシェ911(Type 964)を完全に分解することから始まる。オリジナルのスチールモノコックを中心に徹底的な清掃と評価が行われ、剛性を高めるためのシャシー強化が施される。ボディワークにはカーボンファイバーが採用されており、当時のターボルックを彷彿させるワイドなフェンダーを備えながら、現代のスポーツカーに求められる軽量化と高剛性を実現している。

コスワースと共同開発された4.0L NAエンジン

リアに搭載されるエンジンは、シンガーがコスワースのエンジニアリング協力を得て開発した4.0L自然吸気水平対向6気筒ユニットだ。Type 964のエンジンをベースとしつつも、4バルブシリンダーヘッド、可変バルブタイミングといった最新技術が投入されている。

特筆すべきは、シンガーの自然吸気エンジンとして初めて、水冷シリンダーヘッドと空冷シリンダーを組み合わせ、さらに電動ファンを装備した点である。これはDLS(Dynamics and Lightweighting Study)やターボプログラムなどの開発で培われた知見を活用したもので、熱管理の最適化に寄与している。その結果、最高出力は420psに達し、レブリミットは8000rpmを超える。高回転域での圧倒的なパワーと、新開発のチタンエキゾーストシステムが奏でる鮮烈なサウンドは、最適化された6速マニュアルギアボックスを介してリアタイヤへと伝達され、ドライバーを官能的な世界へと誘う。

洗練されたルーフ機構と現代的なダイナミクス

オープンスタイルの要となるルーフには、新開発の軽量「Zパターン」折りたたみ式ルーフ機構が採用された。これにより、滑らかで容易な操作が可能となり、ルーフの開閉状態にかかわらず洗練されたプロファイルを維持することに成功している。

走行性能を支える足回りにも一切の妥協はない。サスペンションには電子制御ダンピング機能を備えた4ウェイ調整式ダンパーを採用し、ノーズリフトシステムも組み込まれている。ブレーキにはカーボンセラミックシステム、タイヤには最新のミシュラン パイロット スポーツを装着し、18インチのセンターロックホイールが組み合わされる。さらに、ボッシュと共同開発した最新世代のABS、トラクションコントロール、エレクトロニックスタビリティコントロールを搭載。ドライバーは「ロード」から「トラック」、さらには「ウェット」まで5つのドライブモードを選択でき、路面状況や自身の技量に応じた最適なセッティングで走行を楽しむことができる。

究極のパーソナライゼーションと品質保証

インテリアは、オーナーの要望に応じた完全なパーソナライゼーションが可能だ。公開された画像には、パシフィックブルーのボディに快適性を重視したツーリング仕様と、ガーズレッドのボディに軽量トラックシートや固定式ウィングを備えたスポーツ仕様という、対照的な2台が示されている。これらはあくまで一例であり、シート素材、レザーのステッチ、計器類の仕上げに至るまで、オーナーはシンガーと協力して世界に一台だけの仕様を作り上げることができる。

また、シンガーのレストアサービスは厳格な開発プロセスを経ており、英国のミルブルックやドイツのニュルブルクリンクなど、世界的に著名な試験場で数千マイルに及ぶ集中的な評価が行われている。美しさやスペックだけでなく、走りの信頼性においても徹底した作り込みがなされている証左である。

「Porsche 911 Carrera Cabriolet Reimagined by Singer」は、美、匠の技、そして革新を追求し、空冷ポルシェ911のヘリテージと最先端技術を融合させた究極のレストアだ。世界で限定75台という希少性は、この車が単なる移動手段ではなく、自動車史における芸術的なマイルストーンであることを物語っている。

【ル・ボラン編集部より】

シンガーが提示するのは単なる再生ではなく、愛好家の記憶にある「理想」の具現化だ。かつて「ターボルック」と呼ばれたワイドボディに、あえて過給機ではなく420psのNAを積む。この“引き算の美学”と“足し算の技術”の融合こそ、彼らの真骨頂である。カーボン化による剛性確保で、かつてのオープンモデルにありがちだったネガも払拭されているに違いない。コーンズとの提携により、日本の路上でこの「走る芸術品」が空冷の系譜を鮮やかに再定義する姿を目撃できる日が待ち遠しい。

【画像16枚】シンガー・ヴィークル・デザインの最新レストア。現代的にリイマジンされた「911 カレラ カブリオレ」のディテール

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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