1978年式MGミジェット
約10年間愛用したMS50型トヨタ・クラウンの後席に座り、「これは後ろに乗るクルマだ」と気づいた杉浦圭さん。運転席が一番楽しいスポーツカーを求め、1978年式MGミジェットへと乗り換えた。三河地区で旧車イベントを主催する僧侶でもある彼が、大ベテランの言葉に背中を押されて目覚めた“静と動”の愛車ライフに迫る。
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コロナ禍を機に誕生したラリーと、お寺で開催する新年の旧車展示
三河地区で1984年から続いている、ヒストリックカーによるモータースポーツ「タイムトンネルトライアル(TTT)」。76回目の開催となる今回は2026年9月21日、国内外のヒストリックカー85台が会場となるキョウセイドライバーランドに集まった。
「今日はクルマの運動会。思いっきり楽しみますよ」というのは、1978年式MGミジェットで参加の杉浦圭さん。自身でも15年ほど前からクラシックカーの展示イベント「昭和のクルマの集い岡崎」を開催するなど、地元の仲間たちの交流の場を作っていたが、コロナ禍があり一時中断となった。そろそろ収束という時期に、コロナ禍で遊び場所を無くしていた仲間たちとコマ図を作りツーリングをしたことがキッカケとなり、それを基にしたツーリングイベント「モナカ ハート ラリー」を本格的に開催するようになった。

三河地区で「モナカ新年初参り」「モナカ ハート ラリー」を主催する杉浦圭さん。
こうして新しいイベントも発足させたことで、従来の展示イベントも「モナカ新年初参り」と改称して現在に至っている。こちらはタイトル通り、正月3日に開催するクラシックカー展示なのだが、その会場となるのは、岡崎市にある真宗大谷派三河別院というお寺の境内だ。そう、杉浦さんは真宗大谷派の僧侶。仲間たちからは「おしょうさん」と呼ばれ親しまれている。
「クラウンは後ろに乗るものだ!」後席で気づいた理想のクルマ像
これまでも旧いダットサントラックなどクルマ趣味を楽しんでいた杉浦さん。この日のMGミジェットは、約10年間乗っていたMS50型のトヨタ・クラウンからの乗り換えだという。
「クラウンも気に入って乗っていたのですが、ある日後部座席に乗ったんですよ。これはドライバーズカーじゃない! 後ろに乗るものだって気付きました(笑)」とのことで、当時の最高級車クラウンの位置付けがよく理解できるコメントである。

杉浦さんの愛車1978年式MGミジェットは、トライアンフ・スピットファイアと共用の1500ccエンジンになったモデル。エアクリーナーのスポーツタイプへの変更やフルトラ化が施されていることが、エンジンルームから分かる。
そして次は運転席が一番楽しいスポーツカーにしようと、6年前、以前から「乗らなくなったら声かけてね」と伝えていた、杉浦さんのもう一つの趣味“石油発動機”の仲間からMGミジェットを譲ってもらったのだった。
「競技中の1分間だけエンジン全開に」先達の言葉で目覚めた走る歓び
スポーツカーを手に入れたのだからと、参加している友人に誘われてまずはTTTを見学すると、楽しそうなのは一目瞭然。そしてそこに参加していた、MGミジェットで約40年ジムカーナ競技を楽しむ大ベテラン・堀英彦さんの、「普段は労わって走ってるけど、競技中の1分間だけエンジンを全開にしてあげて、本来の持ち味を味わえるのは楽しいよ! 1分なら大丈夫だよ」との言葉に感銘を受けたそうだ。
なるほど! クルマは動かすものだ。愛車のポテンシャルを知らずしてクルマは語れないな……と、これまで経験のなかったクルマの楽しみ方に目覚めた杉浦さんは、以降、年に2回のTTTには欠かさず参加するようになった。

インパネ中央部にはメーター、キルスイッチを追加。ステアリングは定番とも言えるモトリタ製のウッドステアリングが備わっていた。
そして6度目の挑戦となった今回。1本目ではパイロンの進入を間違えてミスコースしてしまいノータイムとなったが、2本目は間違えることなく無事に完走。
「素晴らしい運転技術は生憎ながら持ち合わせていないのですが、共通の趣味を持った仲間たちがたくさんいて、こうしてクルマを介して交流できて楽しい1日でした。主催するイベントを含めて、これからも“動”と“静”の2つの方法で愛車を楽しんでいきたいです」
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