4つのターボを複雑な方法で過給
5月17日、BMWは4基のターボチャージャーを備えた3.0リッター直6ディーゼルエンジンを搭載する「BMW 750d/750Ld xDrive」を発表した。この新開発エンジンは、乗用車用6気筒ディーセルとしては世界最高の400ps(294kW)/760Nmを発生しながら、同じ3.0リッター直6ディーゼルにターボチャージャー3基を組み合わせていた従来型に対して11%も燃費を改善している。
クワッドターボは、低圧用2基と高圧用2基で構成。通常走行時は高圧用1基を停止させて3基で過給し、約2500rpm以上で4基によるフル過給、ただしアイドリング状態からの急発進時に限り高圧用2基での過給という変則的な運用になっている。また、燃料を供給するコモンレール式直噴インジェクションも改良され、最大2500barを達成。これらにより、最大過給圧は従来の200barから210barへと高められ、最高出力は19ps(14kW)、最大トルクは20Nm向上している。なお、動力性能については、0-100km/h加速は先代750Ld xDriveの4.9秒から4.7秒(750dは4.6秒)へと短縮されたが、最高速度は250km/hに制限されているため変わらない。
新型BMW 750d/750Ld xDriveは、欧州では2016年7月に発売される予定。日本への正規導入の有無は不明だが、少なくとも過去に7シリーズのディーゼルが日本仕様のラインナップに加えられた例はない。今度こそ、ディーゼル最強モデルの日本上陸に期待したいところだ。