フェラーリの第一歩はアプルーブドカーがベスト
フェラーリを正規ディーラーで購入する。クルマ好きが一度は夢見るこの行為は、本当に夢物語なのか。フェラーリ正規ディーラーとして40年以上の歴史を持ち、日本でフェラーリを普及させた第一人者であるコーンズ・モータースの芝ショールームで、どこまで実現可能な夢なのかを確かめた。
注目すべきはアプルーブドカー(認定中古車)の存在だ。フェラーリは過去14年以内に新車登録された履歴が明確な車両に対して、専門テクニシャンによる190項目の点検整備を含めた厳格なテクニカルチェックを施した上で、アプルーブドカーとして再販する。年式を考えると実に広範囲であるうえ、短期的に乗り換える層が多いことから現行モデルだって豊富だ。同店では常に30 台近くの在庫を有する。新車登録から3年未満であれば新車保証が継承されるし、別に中古車保証が1年間以上設けられる。手厚い整備を含めて、安心感は新車と変わらない。
「日本は特に大切にお乗りの方ばかり。妥協を一切許さない我々の整備内容に加えて、走行距離もそれほど伸びない極めて良質な車両が多数揃っています。また、一般的にフェラーリはリセールバリューが高く、下取り金額を差し引いて考えると、意外と負担が少ないことが珍しくありません。最近では新車をオーダーされたお客様が、納車までの間、即納が可能となるアプルーブドカーに乗っていただくケースが増えてきました」
同社の中古車セールスマネージャーを務める田中晴郎氏は述べる。金額的な割安感に加え、即納ができるのもアプルーブドカーの利点だろう。オーダーから2年以上待つケースが珍しくない新車と比べると、スピーディーさに魅力を感じる人もいるはずだ。加えて売却する際の残価が高いとなれば、新車が来るまでアプルーブドカーを楽しむ人が多いのも頷ける。
「458、488といったV8ミッドシップ系は不動の人気で動きは活発です。昨今はフェラーリローマが発表されたことで、乗り換え需要に伴ってカリフォルニアT、ポルトフィーノの増加を予測しています。V12気筒系は新車価格が高いだけに、それと比較した場合にアプルーブドカーの価格的魅力は際立つでしょう」
フェラーリが敷いた厳格なルールのもとに、老舗販売店が手塩にかけて整備するアプルーブドカーには比類なき安心感が宿る。しかも、どのモデルも時間軸を超越するかのような価値を持ち、実は手堅い選択肢であることに気づく。もちろん、価格的敷居は決して低くはない。かといって実現不可能な夢物語でもない。こうしてフェラーリを乗り継いだ先に、スペチアーレの購入の夢をみるのもまた楽しみのひとつではないだろうか。
Ferrari Official Dealer Cornes Shiba Showroom/コーンズ 芝ショールーム
■住所/東京都港区芝3-5-1
■営業時間/10~19時(土・日・祝10~18時/水曜定休)
■TEL/03-5730-1610