どんなに優れた運転支援テクノロジーを搭載しても防げない事故は存在する。そんなときに頼りになるのが、衝突時の衝撃から乗員を守る技術。BMWは「もしもの時」を考え、パッシブセーフティ機能にも力を注いでおり、第三者機関からも高い評価を得ている。
5つ星/EURO NCAP CRASH TESTING
1997年に設立されたEuro NCAP(ユーロNCAP)は、ヨーロッパ圏内の7カ国の政府のほか、自動車ユーザーや消費者を代表する団体などで構成された、ヨーロッパで販売される車両の安全性を評価する独立した審査機関である。彼らは最先端の試験施設を用いて独自の評価を行い、その結果をわかりやすい“5つ星表示”にして公表している。
2019年度、Euro NCAPは1シリーズ、3シリーズ、Z4の3モデルを審査。いずれも最高評価の5つ星を獲得した。
なかでも3シリーズは乗員保護:97%、チャイルドプロテクション:87%、歩行者保護:87%、安全装備:76%と各項目でいずれも高得点を獲得。その傑出した安全性が第三者機関によって裏付けられる格好となった。
Euro NCAPの評価項目は2年に一度見直されており、最新の規定では乗員保護だけでも、1)移動式デフォーマルバリアへのオフセット衝突、2)固定式バリアへの全面衝突、3)移動式デフォーマルバリアの側面衝突、4)ポールへの側面衝突、5)反対側への側面衝突、6)追突、と6項目をチェック。さらに救助・救出に関しても評価を行ない、これらの結果を総合して乗員保護得点が算出される。
興味深いのは大人に関する乗員保護だけでなく、チャイルドシートを使用した子供の保護、歩行者やサイクリストを対象とした保護や安全装備、そして安全運転支援システムに対する評価も行なわれていることだろう。つまり、いわゆるパッシブセーフティだけでなくアクティブセーフティに関しても厳格な審査が実施されているのだ。
BMWは優れたハンドリングや先進の安全支援システムによって事故を回避するアクティブセーフティを重視する一方で、万一の際に乗員や歩行者などを保護するパッシブセーフティに関しても万全を期しているといっていいだろう。
※ユーロNCAPは2020年10月1日、10車種の先進運転支援システム(ADAS)のテスト結果を発表。BMW『3シリーズ』含む3車種のみが最高評価のVery Goodを獲得した。ユーロNCAPは、高いレベルの運転支援を提供しながら、ドライバーの関与とコントロールを保つことのバランスが取れており、優れた衝突回避のバックアップシステムを持つ、としている。