3000人を下回ったのは史上初。 都道府県別では東京都が53年ぶりのワーストワンに
警察庁がまとめた2020年の交通事故発生状況によると、12カ月間の死亡者数(24時間以内死亡者数)は前年比11.7%減の2839人と、1948年(昭和23年)に統計をとり始めて以来初めて3000人を下回った。事故発生件数も18.9%減の30万9000件、負傷者数も20.2%減の36万8601人と大幅に減少しており、新型コロナウイルス感染拡大による交通量の減少が大きく影響したものと思われる。
月別の死亡者数では緊急事態宣言が出た4月に19.0%減と大きく減っただけでなく、7月以降は6カ月連続の2ケタ減となり、8月は29.1%減と3割近く減少。今までは比較的死亡者数の多かった下半期の減少率が大きく、交通量が減ったのに加えて、コロナ対応で各地の人出が減った影響も考えられる。
一方で2020年までに交通事故死者数2500人以下を目標とした第10次交通安全基本計画の目標は達成できずに終わる。また、都道府県別死亡者数ではワースト常連だった北海道、千葉県、愛知県、大阪府、兵庫県などが減少したのに対し、東京都は16.5%増の155人と大幅に増加。53年ぶりにワーストワンとなったが、交通量の減少により走行するクルマの速度が高まったためと分析している。要因はどうであれ、交通事故の件数や犠牲者が減ったことは歓迎すべきであり、今後もこの傾向を保つ努力を怠らないようにしたいところだ。