ラテン系のクルマ好きが海あり、山ありのすばらしい環境に建てたガレージハウス
黄色いホンダ・シティカブリオレと赤いランチア・デルタという、マニアックな2台が収まるモダンなガレージハウス。デルタは1989年のRALLY SANREMOで活躍したマルティニ仕様で、Hさんはこのクルマで趣味のスノーボードに行くほか、4ドアのファミリカーとして普段使いもしているということ。シティカブリオレはピニンファリーナデザインということもあり、オーナーのHさんがラテン系のクルマ好きということが窺える。
外壁は紺色の防火サイディング仕上げとなっているが、その商品はHさんが勤務する住宅建材メーカーの製品とのこと。しかもカラーリングは愛車ランチアのブランドカラーであるランチアブルーをチョイス。室内もこの色がポイントで使われているのだ。
バリアフリーとビルトインガレージが条件
Hさんがガレージハウスを建てたきっかけは、高齢になった父親と同居するための引越しによるもの。新しい家の条件はバリアフリー化、そしてHさんが愛するデルタを収納するビルトインガレージをレイアウトするというものである。
当時設計と施工を担当した「株式会社スタッフ」の大内氏も根っからのクルマ好きということもあり、Hさんの家やガレージ、クルマの相談、時には打ち合わせがクルマ談義で終わってしまうこともあったということだ。
まずは長谷川さんの要望に応えられるような土地探しから始まったが、コストを抑えながらバリアフリーガレージハウスを実現できる場所を探していったという。
神奈川県三浦郡は海あり、山ありのすばらしい環境で、電車に乗ってしまえば都内まで60分と通勤圏内。Hさんはそんなグッドロケーションに土地を購入し、ガレージハウスを建てようと決意する。その土地は、建築制限で建物の高さに制約があり2階建ての一戸建てと限定されていたが、スキップフロアを使い部屋数を確保する方向性でプランニングが進んでいった。
天然木材使用の室内とホームシアターも
完成したガレージハウスは地下1階、地上2階建て。室内は、冬でも床暖房を使わずに暖かく過ごせるよう、床材に無垢パイン材を使用している。広葉樹のパイン材は人間の体温をよく伝え、床を体温で暖めることができるそうだ。
RC造のガレージはコンクリートの打ちっぱなし。Hさんはタイヤやオイルの交換など頻繁に行なうため、床面はタイルなどで飾り立てずに打ちっぱなしのままとしている。
また、ガレージの一部に大理石を張り、書斎兼ホームシアタールームを設置。自慢の5.1チャンネルホームシアターは、ガレージに窓がないこともあり音が外に漏れる心配がなく迫力の大音量で映画を楽しむことができるのだそうだ。
排気ダクトはオリジナル、5万円で実現!
ガレージのドアはレムコ製のスティールレイズドアを採用。このドアはポリエステルの断熱材を使っているので遮熱性や静粛性に優れている。また、ガレージで排気ガスを気にせずに暖気ができるシステムとして、排気ダクトシステムが挙げられるが、高価ということもあり、建築用空調を利用した排気ダクトシステムを設置。耐火認定用のパイプを使うことでなんと総額5万円で完成したという。
立地はやや山間部に位置しているのでクルマでの生活が基本となるが、屋上からの眺めはピカイチ。海の向こうには江ノ島が見え、空気が澄んでいると富士山を眺めることも可能なのだそうだ。