もはや完熟の域に入ったともいえるウラカンが、さらなる進化を遂げた。「ロードとトラックで、運転の楽しさとライフスタイルの完璧さを求める方へ」とは発表時にランボルギーニから伝えられたコメントだが、要するにあらゆるシーンで求められる役割を演じきってみせるということ。そんな懐の深さを味わい尽くすなら、いましかない!
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RWDであることを忘れる盤石のスタビリティ
ランボルギーニ・ウラカンがライバルたちと際立って異なる点は、サーキット走行での自在なドリフトコントロール性にあると思う。別に、そもそものリアグリップレベルが低いというつもりはないが、ドライバーがオーバーステアを求めているとシステムが判断すると、スポルトモードでは4WSやブレーキトルクベクタリングなどのデバイスを駆使して適度なテールスライドを引き起こし、比較的容易にドリフト走行に持ち込める。その際のスライド感やコントロール性は優れた安心感を伴うもの。スタビリティコントロールが作動した状態でドリフト走行を楽しめる点も、ウラカンの特徴のひとつといっていいだろう。
最新のウラカン・テクニカでも、こうした特質は存分に受け継がれているが、忘れてはいけないのが、これが4WDではなくRWDであること。スライド中もタイヤが確実に路面を捉え続け、コーナー脱出時には力強いトラクションを発揮してくれる点は、4WDのウラカンに肉薄するといってかまわない。
その理由を、新たに車両開発全般を統括することになったヴィクター・ウンダーベルグに訊ねたところ、こんな答えが返ってきた。「これまで、私たちはウラカンの開発を通じて様々なことを学んできました。そうした経験を生かし、ウラカン・テクニカではダウンフォースを(ウラカンEVO RWD比で)35%増やしたほか、スタビリティコントロールにも最新の技術を盛り込んでいます。さらには4WSやタイヤ開発などの効果もあって、RWDでありながら4WDに迫るスタビリティを実現できたのです」