モデルカーズ

随所に溢れる大きめスケールならではの上質感!グンゼ製プラモ「初代セリカXX」をいま、華麗に制作【モデルカーズ】

ノーズを延長、6気筒を載せたワンランク上のセリカ

スープラのルーツがセリカXXである――というより、その海外仕様の名がスープラであった――ことはよく知られている。スペシャリティカーとして成功を収めた初代セリカは1977年にモデルチェンジ、2代目・A40系へと進化した。北米市場を重視し、設立されたばかりのCALTY(カリフォルニアに本拠を置くトヨタのデザイン・スタジオ)がデザインを担当。ちなみにこのA40系セリカが、CALTY担当のデザインによる市販車の第一号である。このセリカの派生車種としてセリカXXがデビューしたのも、デザイン同様に北米市場を睨んでのことであった。

【画像72枚】美麗に仕上がった初代XXと、その制作過程を見る!

つまり、北米で人気を誇ったダッツン・Z(ズィー)の対抗馬を、という訳である。そこでトヨタが採ったのは、ライバル・日産のスカイラインGTやブルーバードGT/G6と同様の手法。すなわち、4気筒エンジン搭載車であるセリカのノーズを延長し、直列6気筒エンジンを押し込む、というものであった。こうして開発されたセリカXXは、ベース車である2代目セリカ登場から半年ほど後の1978年4月に発売、北米仕様のセリカ・スープラは翌1979年に市場投入された。

北米向けネーミングが別名となったのは、「XX」という語が、彼の地ではポルノ映画のレーティングを表わすものであったためと伝えられているが、これは微妙に正確ではない。アメリカの映倫であるMPAAのレーティングでは当時、性描写だけでなく暴力的なシーンやダーティワードを含む作品を「X」として成人指定を示したが、これを逆手に取ってポルノ映画業界が「XX」や「XXX」といったランク付けを自らの作品に勝手に与え、その過激度をアピールしたということだ。「X」によるレーティングは1990年に「NC-17」と呼ばれる細かな分類に変更されており、現在では「XX」と言っても猥褻な映画を連想する人は少ないだろう。

初代XX/スープラの内容についてもう少し詳しく述べると、ノーズ延長によりホイールベースはセリカの2500mmから2630mmへと伸び、全長は4410mmから4600mmに。18R-Gを筆頭とする4気筒ユニットに代わり搭載されたのは、クラウンやマークⅡ用の直列6気筒、2563ccの4M-EU(最高出力140ps)。国内向け(XX)には税制上有利な5ナンバー車として、やはりクラウン/マークⅡ用の直6、 1988ccのM-EU(125ps)も用意された。

セリカにはクーペとリフトバックがあったが、XXはリフトバックのみとし、ボディ前後のデザインを変更。フロントマスクは角型4灯ライトと大型ウレタンカラードバンパーによる精悍な顔つきに改められ、グリルにはかつてのトヨタ2000GTを思わせるT字型のメッキのアクセントが輝く。テールレンズは後のX50系クレスタのような横長の形状のものを装着、ガラス調のBピラー・ガーニッシュと相俟って高級感を演出した。

インテリアもワイン色などが基調の豪華なもので、コノリー・レザー製本革シートまで用意。サスペンションはセリカのまま前ストラットに後4リンク/コイルであったが、1980年のマイナーチェンジでは、セリカのリアサスがセミトレに改められたのに伴い、XXも同様に変更されている。また、エンジンは2.6Lから2.8Lの5M-EU(2759㏄/145ps)に変更された。そして1981年、セリカと共にモデルチェンジされたのである。

良質なキットをさらにアップデート
この初代XXのプラモ化には、1/24ではLSによるもの(マイクロエースからは再販されず)、1/20ではグンゼ産業(現GSIクレオス)のものがあった。アメリカでのキット化がないところを見ると、Zカーほどの人気を博すには至らなかったのだろうか。ここでお見せしているのは、このグンゼの1/20キットの完成品である。

今ではカーモデルの新製品はなく、もっぱら塗料やマテリアル、工具の面でモデラ―をサポートしてくれているGSIクレオスだが、かつては出来の良いキットを多数リリースしていた。このセリカXXも、ボディのプロポーションは非常に良く、満足度の高いキットであると言える。当時の1/20スケールで主流だったフォーマット通り、フル開閉・フル再現モデルであるが、やはり細部には、現在の目で見ると詰めの甘さが見られるのもまた事実。作例ではそうした部分にもアップデートを行っている。その詳細は工程写真のキャプションで述べたので、参考になれば幸いだ。

作例制作=坂中善之/フォト=服部佳洋 modelcars vol.286より再構成のうえ転載

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