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デカール自作の詳細をさらに解説
ニスモがR33型スカイラインGT-Rをベースに開発したニスモ400Rとその模型での再現については、すでに前編の記事(下の「関連記事」参照)でお伝えした。この作例の重要なポイントとなるのはデカールの自作だが、これについては前編の記事や当記事の画像キャプションなどだけでは説明しきれていないので、ここでは以下、作者・小田島氏による細かな解説を掲載する。画像とも併せてお読みいただきたい。
【画像29枚】ボディ加工の続きからシャシー、デカールまで、作業の詳細を見る!
「エアロパーツはなんとか作ることも可能として、やはり困難なのはボディサイドのロゴなどの再現。これについては、吉田金糸店のスタンピングリーフを使ったデカールを自作することにしました。そこで今回は、その過程を紹介しましょう。
■手描きによる版下
①サイドグラフィックの「400R」の文字はネットで真横から撮影したものを発見できたので、一度普通紙に印刷し、透明プラ板にマジックで転写。②裏からセル画の要領でブラックで筆塗りしてモノクロの版下を制作。スキャナで読み込み、③Windows標準のペイントで文字の外周をトレース、輪郭を整え、薄い部分を修正する。修正できたらコピーして、一度に数枚印刷できるように並べて配置し、一旦普通紙に印刷。最終的にハガキサイズになるよう配置する(コピー機のハガキサイズを利用するため)。
④印刷された文字の縮小率が何%かを検討。⑤プリンタのコピー機能で縮小して普通紙に印刷。ボディに当ててサイズを検討し、⑥サイズが決まったら出来るだけ濃く設定して、フォトマット紙に印刷。これで最終版下の完成。
■wordによる版下
⑦ウィングサイドのパネルと前後エンブレムは、wordの書体から似たものを探して使う。小さな文字ならこれで十分。「400」がメッキ、「R」が赤なので、メッキ部分はモノクロで、赤の部分はカラーコピーで再現。カラーコピーは下地が暗い場合全く見えなくなるので、同じ文字のメッキ化したデカールに重ね貼りして対応する。
◎ウィングの「400」……HGP創英角ポップ体(3ポ)太文字と斜体で使用
◎ウィングの「R」……HGP創英プレゼンスEB(3ポ)太文字と斜体で使用し、黒文字と赤文字の2種類を作る(黒印刷はメッキ用、赤はカラーデカールとするため)
◎エンブレムの「400」……HGP創英角ポップ体(2ポ)太文字と斜体で使用
◎エンブレムの「R」……HGP創英角ポップ体(5ポ)太文字と斜体で使用し、黒文字と赤文字の2種類を作る
⑧フォトマット用紙に印刷。用紙サイズをハガキに設定しておくこと。
■コンビニでの作業
⑨コンビニのコピー機で印刷する。用紙(クリアーデカール)は持ち込みになるが、持ち込みが可能かどうかは店舗に必ず確認のこと。ハガキ印刷を指定すれば持ち込みの用紙を入れるトレイがある。このため原稿もハガキサイズにしておいたワケ。濃い設定にすると余白部分も黒っぽくなるので、標準の濃さで大丈夫。
■スタンピングリーフでメッキ化
⑪赤い「R」以外はメッキ化する。印刷されたクリアーデカールにスタンピングリーフを乗せて加熱。アイロンの場合は140~150℃くらい、ラミネーターの場合は低温の方に設定。高温すぎると文字以外の部分にも貼り付くので、コピー紙を一枚上に重ねておくと安心だ。熱を加えると文字の部分にだけスタンピングリーフが残り、メッキ化となる。⑫これで完成だが、印字面が弱いのでリキッドデカールフィルムを塗って保護してから使う」