2023年で登場50周年を迎えた名車
トミーテックの来年(2024年)4-5月発売新製品から、1/64スケール・ミニカーの中で気になるアイテムをご紹介しよう。トミカリミテッド ヴィンテージNEOの新作として5月に発売となる、日産キャラバンの初代モデル(E20)、キャンピングカー仕様である。
【画像】70sキャンピングの世界が蘇る、キャラバンのディテールを見る!
日産のワンボックスとして、長い歴史と根強い人気を誇るキャラバンがデビューしたのは、1973年2月のことである。その直接の前身となる車種は特に存在せず、しいて言えばキャブオールやキャブスターのバンということになるが、キャラバンはトラック仕様をラインナップしておらず、完全にワンボックス専用ボディであることが画期的だった。スタイル上の特徴としては、ボディの前後左右にモールを一周させ、サイドドアのレールを隠している点が挙げられる。
ボディは標準とロングの2種類があり、それぞれにライトバンと乗用モデル(マイクロバス系)を設定。バンには標準とロングにそれぞれ普通のライトバンとルートバンを用意、いずれも3人乗りだが、ロングのライトバンのみには2列シートの6人乗りがあった。マイクロバス系には3列シートの9人乗りと4列シートの10人乗りがあり、これらはコーチと呼ばれる。ロングボディの乗用仕様は15人乗りマイクロバスの1種。
エンジンは直列4気筒OHVのJ型(1.5Lと1.6L)だが、のちに1.5Lを廃止して、同じく直4 OHVのH20(2L)が追加された。1976年には兄弟車のホーミーが日産プリンス系ディーラー向けに登場、1980年8月に二代目へとモデルチェンジを行っている。
キャンピングカー仕様を細部まで再現!
今回トミーテックが製品化するのは、この初代キャラバンの初期モデル・ロングボディのライトバンをベースとしたキャンピングカー仕様である。初代キャラバン自体は、トミカリミテッド ヴィンテージNEOとしては完全新金型による初のモデル化で、今後さらに別の仕様も加わることが予想される(TVドラマ『大都会PARTⅢ』の救急車仕様が同時に発売されることが、すでにアナウンスされている)。
このキャンピングカーは、実車デビューから4ヶ月後の1973年6月に追加されたもので、外観上の特徴となるのはFRP製のハイルーフだが、その内部はベッドスペース(2人分)となっており、またその左側には収納式のタープ(サイドテント)が備わっている。車内には炊事用のコンロやシンク、清水タンクが備わり、ベッドにもなる専用のシートを装備、テーブルを取り付けることも可能となっていた。
ミニカーでは、写真でお分かりの通りそのプロポーションからディテールまでを見事に再現、さらに左側スライドドアとリアゲートの開閉ギミックも盛り込んでおり、1/64というスケールを超えた仕上がりを実現していると言ってよい。室内もこの仕様ならではのシート形状や配置・配色、テーブルやシンクなどがしっかりと再現されており、実に愉快なモデルに仕上げられている。同社の「ジオコレ64 #カースナップ」シリーズと組み合わせれば、さらに様々な楽しみ方が発見できることであろう。
ボディカラーは白/青の1種(実車カタログカラーの再現)、価格は4,400円(税込)で2024年5月発売の予定だ。なお、写真は試作品のため実際の製品とは異なる部分もありうる点、ご注意を。