2017年1月度の登録車販売ランキングでは、1位が「ノート」、2位が「セレナ」となり、日産車が久しぶりに1-2フィニッシュを飾り話題になっているが、この快挙は1984年9月の「サニー」「ブルーバード」が1位と2位を獲得して以来、実に32年ぶりのこととなる。
ともにFFとなったサニーとブルーバード
さて、1984年9月当時に発売されていた「サニー」とはどのような車だったか。それは1981年10月にフルモデルチェンジした5代目「B11」型だ。従来の後輪駆動から初めて前輪駆動のFFに切り替わり、室内空間を拡大。正式名称も「日産ダットサン・サニー」から「日産サニー」に改められた。
ボディタイプは4ドアセダン、3ドアハッチバック、5ドアワゴンとバンがあり、エンジンは1.3リッターと1.5リッターのガソリン、1.7リッターのディーゼルが設定されていた。特に5ドアワゴンの「カルフォルニア」は、サーフィンやアウトドアレジャーに似合うアイテムとして若者を中心に人気車種となった。
一方、「ブルーバード」はすでに7代目となっており、名実ともに日産の看板車種になっていた。1983年10月にデビューした7代目「U11」型は、こちらもブルーバード初のFF車となり、ボディタイプは4ドアセダン、4ドアハードトップ、ステーションワゴン、そしてバンを揃えていた。ノーマル系グレードに加えてスポーティな「SSS」シリーズを用意しており、こちらの人気も高かった。エンジンは1.6リッター、1.8リッター、2.0リッターの直列4気筒だったが、追って北米仕様をベースにしたV型6気筒エンジンを搭載する派生車種「マキシマ」が加わることになる。また、こちらも正式名称が「日産ダットサン・ブルーバード」から「日産ブルーバード」に改められている。
当時はコンパクト~ミッドサイズカーのパッケージングが、FRからスペース効率に優れるFFへと大転換する真っ直中。日産もその後、ブルーバード以下のクラスをすべてFF車に切り替えていったのだ。
このような激変期にトップに君臨したサニーとブルーバードは、時代の変化に見事に乗り、ユーザーからの確かな指示を獲得した車種といえるだろう。そして、今回のノートとセレナは、低燃費と先進安全技術という時代のニーズを上手くつかみ取り、人気を得たといえそうだ。