ミニカーは1954年10月に発売された1955年型がモチーフ
今回は、ソリドNo.113B フォード・サンダーバードのご紹介です。
実車フォード・サンダーバード(以下Tバード)は、1954年2月のデトロイト・モーターショーにおいて発表され、同年10月に販売を開始しました。
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前年にデビューしたGMのスポーツカー「コルベット」への対抗馬として位置付けられたものの、純然たるスポーツカーではなく、快適性を追求したラグジュアリーカーとしての性格を持っていました。
全長はコルベットよりも200mm以上長く、FRP製ボディのコルベットに対し、スチールボディのため、車両重量は100kg以上重い1,425kgでした。
エンジンは当初4.8L V8OHVが搭載され、最高出力は、3速MT仕様及びオプションのOD付3速MT仕様が193hp、(オプションの3速トルコン式AT仕様が198hp)で、コルベットに搭載された3.9L直6エンジンの150hpを上回っていました。
翌年の1956年モデルは、スペア・タイヤがトランク外側に取り付けられ、1957年は、フロントバンパーの形状変更、グリル、テールフィンが延長されて、大型のテール・ライトが装備され、スペア・タイヤは再び車内に収納されました。そして1958年にフルモデルチェンジが実施され、4シーターの2代目モデルに移行しました。
ミニカーは、ソリドが1957年に1/43のNo.100からスタートした新シリーズ以前のジュニア・シリーズNo.195の1/40スケールで、シャシーが分解可能なビス止めされた仕様で発売され、資料によると1956年から1962年まで製造されました。
そして併売される格好で、シャシーをカシメて、新シリーズNo.113Bとして1959年に登場しました。同品番のNo.113アバルト(レコードカー)が1961年に発売されていたので、それよりもBの方が早い生産となりますが、なぜ同品番でしかもBの表示が付いたかは不明です。
ミニカーは、1954年10月に発売された1955年型がモチーフとなります。初期モデルは、シートとステアリングがグリーン等の同色でしたが、後期仕様では、白シートに赤いステアリングに変更されて、ステアリングの装着方法も変わったようです。
カラーバリエーションは、淡いサーモンピンク、濃いめのピンク、ターコイズ系ブルー以外にブルー・メタリック(ステアリングとシートが同色の赤)、クリームもあったようです。
私の知る限り、No.113B のTバードは、わが国には正規輸入されずに絶版になったと思われます。ミニカーの作りは、実車の特徴を見事に再現したプロポーションにて、前後のサスペンションのみのアクションで、男性もしくは女性のドライバーが乗車しています。
男性のベレー帽は赤以外にグリーンも存在するようで、私の推測では、男性のグリーンのベレー帽のドライバーは、テクノのメルセデス・ベンツ300SLロードスターにも使用されているものと同じと思われます。
※写真のミニカーの中に一部ノンオリジナルのドライバーが乗車しています。
この記事を書いた人
モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。