ベントレー

【FIRST PICTURE】6L W12気筒エンジン超えの高性能を発揮。電動化で手に入れた弩級のプレステージ「ベントレー・コンチネンタルGTスピード」

4代目へと進化したベントレー・コンチネンタルGT。デザイン責任者は古巣に返り咲いたロビン・ペイジ氏で、「スピード」はW12からV8+PHEVシステムへとパワートレインをアップデート。ステアリングを握った印象をいち早くお届けしよう。

モーター+V8はW12にはない魅力を持つ

昨年ボルボから復帰し、デザイン部門の責任者に就任したロビン・ペイジは、4代目へと進化を遂げた新型ベントレー・コンチネンタルGTを前にこう切り出した。「ベントレーのデザインには“レスティング・ビースト”、“アップライト・エレガンス”、“エンドレス・ボンネット”という3つのエレメントがありますが、それに則ってヘッドライトは獲物を狙う虎をイメージしました。同様にホイールも虎が爪を立てているようなデザインになっています」

25.9kWhのバッテリーはリアシートからラゲッジルーム下に搭載。EVのみで最大80km、最高160km/hの走行が可能となる。

国際試乗会の会場には、先代も飾られていたが、比べてみるとよりシャープでモダンになった印象。さらに注目すべきはリアの格納式スポイラーがなくなり、ダックテール状になった新デザインのリアフードになったことだ。加えてフロント、サイドのスポイラーなどエアロダイナミクスが見直されており、先代と同等のダウンフォースが確保されている。またフロント下の左右のインテークを塞いでいたふたつのACCカメラをひとつに纏めてグリル内に収めたことで冷却性能の向上も図られている。

スマートフォンからのリモートコントロールなどデジタルデバイスが充実したインテリア。ドアハンドル、ブルズアイ、コンソールにブラッククロームが採用され、モダンな雰囲気になったのも特徴。

そんな新型のハイライトといえば、やはりPHEVとなったパワートレインだろう。4L・V8ツインターボは、ターボの大型化、マッピングの変更などにより、最高出力600ps、最大トルク800Nmを発揮。8速DCTとの間に配置されるeモーターとの組み合わせでシステム最大出力は782ps、最大トルクは1000Nmと、6L・W12を大きく上回っている。

もちろんそのパフォーマンスも圧倒的で最高速度は335km/h、0→100km/h加速3.2秒を記録。それゆえ、これまではスタンダードモデルが出た後にハイパフォーマンスの“スピード”が出るというのが慣例だったが、新型は最初からコンチネンタルGTスピードを名乗ることとなった。

オレンジのアクセントが入ったマンダリンレザーのインテリアも新型の特徴のひとつ。シート形状は変わらないがフロント、リアのドアトリムに3Dダイヤモンドが施されるようになった。グラビティグレーは内装にも外装にも設定される新色。

まだ最終プロトタイプということで今回の試乗はサーキットのみ(写真は市販車)。デフォルトのベントレー・モードでは無音のままモーターで走り出し、然るべき速度域に達するとエンジンが始動してハイブリッドへと移行するのだが、その仕草は自然で滑らか。ちなみにモーターのみで、最大80km、160km/hでの走行が可能となっている。

一方、常にエンジンが稼働するスポーツモードに切り替えると想像以上に勇ましいエキゾーストノートが響きわたる。そこで印象的だったのがモーターと組み合わされたV8で、W12のような荒々しさはない反面、とてもリニアでスムーズなパワーデリバリーをみせ、ハイブリッド化による重量増のネガを感じることは一切なかった。

リアスポイラーをトランクリッドと一体化するなど空力的にも洗練された新型。先代と共通なボディパネルはボンネットとドアくらいだとペイジはいう。イメージカラーの鮮やかなグリーンはターミナル・イン・グリーンと呼ばれる新色である。

その車重に関しては公表されていないものの、R&D部門のダイレクターで車体開発責任者のマーカス・ティールによると、各部の軽量化、最適化によって前後重量配分50:50を達成しているという。加えて後輪ステア、トルクベクタリング、アクティブスタビライザーといった先代譲りのデバイスも良い仕事をしており、既存のV8Sのような軽快で俊敏なハンドリングを堪能することできた。

シャープさを意識したというデザイン。眉のようなラインが入ったヘッドライトは獲物を狙うタイガーの目がモチーフ。

また初採用となったZF製のダブルバルブダンパーは、ブレーキング時の姿勢変化を抑える一方で、常にしなやかな乗り心地にも貢献。試乗前から開発陣はパワートレインとシャシーの出来栄えに絶大な自信をのぞかせていたが、その言葉に偽りがないことを、身をもって体感できた。

エッジの効いたホイールは、獲物を狙うタイガーの爪がモチーフだ。

そういえば、もうひとつ気づいたことがある。それはウェット路面の走行後にクルマを見ると、ウエストラインから下は盛大に汚れているのに、リアウインドウが綺麗な状態に保たれていたことだ。どうやらペイジが注力したというエアロダイナミクスの改良も、上手くいっているようだ。

大きく立体的になったテールライト、ヘッドライトにダイヤモンドカットを施すことで、エレガントさも強調しているという。

【SPECIFICATION】ベントレー・コンチネンタルGTスピード
■■全長×全幅×全高=4895×2187×1397mm
■ホイールベース=2851mm
■トレッド=前:1672、後:1664mm
■エンジン形式/種類=ー/V8DOHC32V+ツインターボ+モーター
■内径×行程=86.0×86.0mm
■総排気量=3996cc
■最高出力=600ps(441kW)/6000rpm
■最大トルク=800Nm(81.6kg-m)/2000-4500rpm
■モーター形式/種類=ー/交流同期電動機
■モーター最高出力=190ps(140kW)
■モーター最大トルク=450Nm(45.9kg-m)
■燃料タンク容量=80L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/エア、後:マルチリンク/エア
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:275/35ZR22、後:315300ZR22
問い合わせ先=ベントレーモーターズジャパン 0120-97-7797

フォト=ベントレー・モーターズ ルボラン2024年8月号より転載
藤原よしお

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