自動運転バスの「ロボバン」も公開!
まさか、テスラの「ロボタクシー」がこんなスタイルになるとは! テスラが自社イベントとして開催した「WE, ROBOT」に登場したのは、跳ね上げ式ドアの2ドアクーペだった。
いわゆるロボタクシーと呼ばれるのは、自動運転技術を使い運転車が車内にいない状態で走行するもの。国際標準化されている自動運転レベルでいえば、レベル4に相当する。
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これまで日本、アメリカ、欧州、中国などでレベル4による実証試験、または一部で実用化が始まっているが、それらは大きく2つのボディ形状がある。ひとつは、量産車を改良するなどしたもので、そのほとんどが乗降しやすい4ドア車だ。この場合、ステアリングなど車内にある操作機構は継承している。
もうひとつが、バスのような格好のモビリティ。この場合、運転席そのものがなく、ひとつの移動空間という設定だ。こうした自動運転車の常識を覆してのが、今回のロボタクシーだ。
ドアの開口部が大きいとはいえ、ボディサイズも比較的小さく、しかも車高が低めのクーペモデルだ。スタイリッシュではあるが、日本人から見れば「タクシー」という部類には属さない車系に感じる。
そんな常識破りのロボタクシーについて、ボディ形状やボディサイズから、テスラ「モデル2」としてデビューするのではないかという噂がアメリカであった。今回、モデル2に対する発表はなかった。
このほか、テスラは今回、2つの自動運転モデルを公開している。ひとつは、一般的な自動運転バスのイメージがある「ロボバン」だ。バンというと商用車を連想するが、LRTのような雰囲気で乗降がしやすい中型バスだ。プレゼンテーションでは、乗員が約20名であり、都市部や空港などの移動に最適だと説明した。
さらに、すでに発売している「モデル3」を皮切りに、ハンズオフでの自動運転機能を今後、テスラの全モデルに広げる。この場合の自動運転レベルについては言及しておらず、モデル3がホンダが「レジェンド」で採用したレベル3なのか、それともレベル4になるのかが気になる。
ロボタクシーがステアリングなどがないことから、レベル4が確定しているのだから、他の一般モデルはレベル3になるのが順当ではないだろうか。
ロボタクシーの導入時期について、イーロン・マスク氏は「2027年までに」という表現を使った。価格は3万ドル(1ドル150円換算で450万円)を目指すということだ。
この記事を書いた人
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。