コラム

心底好きなクルマに乗る、その気持ちよさ!1969年式メイヤーズ・マンクスを相棒に選んで【デューンバギー恍惚日記】第1回

1969年式メイヤーズ・マンクス

本当に欲しかったクルマはなんだ

8年前のちょうど今頃の季節、55歳の誕生日を目前に控えていた私はひとつの決断をした。仕事でも趣味でもクルマと接することの多い半生を送って来たけれど、何の制約もなく、本当に欲しいクルマを手に入れて乗ったことが何度あったのかと自問してみたら、仕事やプライベートでの使い勝手の良さや、つまらない見栄を優先して選んだことが殆どだったことに気づいたのだ。

ちょうどその頃、父親が亡くなったこともあって、遺品整理をしながら親父と自分を重ね合わせ、様々なことを考えた。人生は短い。残された時間もおそらくあっという間に過ぎていくだろう。だから本当に欲しいクルマに乗ろうと決めた。

【画像16枚】幼少期の憧れから現在までをつなぐデューンバギーを見る!

デューンバギー・ブームの洗礼
そして自分の心の奥底まで潜っていって、クルマ小僧だった頃の自分と再会したら答えは簡単に出た。私が本当に乗りたかったのは「デューンバギー」だったのだ。空冷フラット4時代のVWビートルのコンポーネンツを流用したカスタムカーだ。「VW(フォルクスワーゲン)バギー」の通称でも呼ばれていた。

自分が子供だった1960年代半ばから1970年代半ばにかけて、映画やTV番組、雑誌のグラビアや広告などで、このデューンバギーの類は大いに持て囃されていた。実物を街中で見かけたことはまず無かったが、プラモデルやミニカーなどの玩具や、RC(ラジコン)模型の世界でも題材となり、大いに人気を集めていた。そんなわけで、この時期に自分はどっぷりとデューンバギーの洗礼を受けていたわけである。

メイヤーズ・マンクスかEMPI impか
成人して自動車関連の出版物に携わる仕事に就くと、FRPボディを持つデューンバギーの元祖が「Meyers Manx(メイヤーズ・マンクス)」というクルマであることも学んだ。因みに1970年代にタミヤが「1/18チャレンジャーシリーズ」でラインナップしたバギーのプラモデルは、「EMPI imp(エンピ・インプ)」というクルマで、当時マンクスと双璧をなした人気バギーを題材にしたものである。

デューンバギーに乗ると決めた自分は、必然的にメイヤーズ・マンクスかエンピ・インプに照準を絞ることになった。いずれにしても“ただ乗るためだけのクルマ”。その意味ではスーパーセブンなどに近いかもしれない。齢55歳を迎えようという時期にとんでもない愚行を犯そうしている自分なのだった。

妙高高原でのイベント参加時のスナップ。バギーというとボディからはみ出したタイヤのイメージがあるかも知れないが自分のマンクスはツライチで収めた。

デューンバギーと生きる暮らし
あれからもう8年。その後の自分は、とある空冷VWショップを介してレストアベースのメイヤーズ・マンクスを輸入し、約1年をかけて自分の好みに仕上げてもらい、いま現在もデューンバギーと共に生きている。頻繁に走らせているので、国内で登録されているデューンバギーの中ではおそらく最も距離を走っている方ではないかと思う。

ちなみに自分のマンクスは、1970年頃の“ストリート・バギー”風の仕様となっている。基本的にはオフロードではなく公道仕様であり、カントリーロードでオープンエアを楽しむためのクルマだ。

メイヤーズ・マンクスについて、そして自分がこのクルマとどのように暮らしてきたかを、今月から皆さんに少しずつご報告していきます。自分と同じく、かつてデューンバギー・ブームの洗礼を受けた方々の参考になれば幸いです。

山田剛久

AUTHOR

1962年、富山県生まれ。約20年の出版社勤務を経てフリーに。自動車、模型、モータースポーツ関連のニッチ記事専門ライター兼編集者として、ごく稀に重宝される。ホットロッド/カスタム、1930〜’70年代の内外モータースポーツ、古い自動車模型や玩具が専門分野。「多摩川スピードウェイの会」会員。

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