1936年から現在まで、変わることなく職人の手により木製フレームと金属ボディのクルマを作り続けている老舗メーカーとして知られるイギリスの「モーガン」。そんな同社が2016年のジェノバ・モーターショーで発表した電気自動車「EV3」は世界中で注目を集めた。
伝統と革新が三輪ボディに
創業時代から現在の「3ホイーラー」に受け継がれる三輪の車体を採用。車両重量500kg以下、航続距離160kg、最高時速100mphと発表されたEV3は、100年を超える同社の歴史にあって初のゼロエミッションへのチャレンジとして、好意的に受け止められた。2016年下期に市販化されるとアナウンスされたが、EV3は限定19台のみが販売されて以降、同社はその後の市販化について沈黙を保っている。
ところが! なんと昨年ヒッソリとモーガン製EVは市販化されていた! それが今回ご紹介する「EV3ジュニア」。残念ながら対象年齢6歳以上のジュニア向け車両である。
ところがこのEV3ジュニア、当サイトで紹介するのにはワケがある。よく見かけるような玩具では決してない。プロトタイプとして公開されたEV3と同じく、3ホイーラー譲りの前二輪後一輪というモーガンのアイデンティティともいえる車体構成を採用。そこに搭載されるのはカーボンファイバー製ボディときた。ダッシュボードは木製であり、インテリアのレザーは生産車両を担う職人による手縫い。ライト類も点灯する。ボディに装備されるバッジ類は生産車両と同じくエナメル製…と、とにかくディテールまで凝りに凝っているのだ。最高速は16km/hであり、航続距離は16kmに達する。バックギアも装備しているという。
モーガン社自身が、自社の歴史的転換点を祝福すべく企画したというEV3ジュニア。残念ながら実車のEV3と同じく、日本での正規輸入販売は行われていない。