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【世界初公開・写真150枚】新型ルノー・クリオ(次期ルーテシア)が拓くBセグメント新時代。驚異の燃費25.6km/L&Google搭載

新型ルノー・クリオ、IAAモビリティ2025で堂々のワールドプレミア

ルノーは2025年9月8日、ドイツ・ミュンヘンで開催中のIAAモビリティ2025において、同社の屋台骨を支える基幹モデル「クリオ(日本名:ルーテシア)」の第6世代となる新型を世界初公開した。

【画像150枚】彫刻的で官能的 。よりラテンの色香を増した新型ルノー・クリオの全貌を写真で見る

1990年の初代登場以来、35年の長きにわたり欧州Bセグメントのベンチマークとして君臨し続け、5世代にわたる歴史の中で世界120カ国、累計約1700万台という驚異的な販売台数を記録してきたクリオは、フランス車史上最も売れたクルマとしての地位を不動のものとしている。その人気は衰えることを知らず、2025年上半期においても欧州販売台数トップの座を獲得している。

常に「偉大なクルマのすべて」を備え、セグメントの常識を覆し続けてきたクリオが、待望のフルモデルチェンジによってどのような進化を遂げたのか。その注目すべきポイントをさっそく解説しよう。

より官能的でダイナミックに進化した「ラテン」デザイン

新型クリオを目の当たりにして、まず心を奪われるのは、その刷新されたデザインであろう。ルノーのデザインチームは、第6世代の開発にあたり「すべてのダイヤルをクランクアップした」と表現しており、それは内外装のあらゆるディテールから見て取れる。エクステリアは「彫刻的で官能的なシルエット」と「力強い表情」が与えられ、これまで以上にそのラテンのルーツを強く感じさせるものとなった。

ボディサイズは全長4120mm(先代比+67mm)、全幅1770mm(同+39mm)と一回り拡大され、Bセグメントでありながら堂々とした存在感を放つ。特に、長くされたボンネットと延長されたホイールベース(2590mm)は、クーペを思わせる流麗なルーフラインと相まって、静止していても躍動感が伝わってくるプロポーションを創出している。

フロントマスクは、ルノーのロゴであるダイヤモンドをモチーフとした新しいライトシグネチャーが強烈な個性を主張し、その表情はより毅然としたものへと変貌を遂げた。

インテリアもまた、大きな変革を遂げている。ドライバーの眼前に広がるのは、セグメントの常識を超える「V字型ダブルスクリーン」であり、10.1インチのディスプレイが2つ並ぶ先進的なコックピットを形成している。ダッシュボードには新たな素材が採用され、助手席側には48色から選択可能なアンビエントライトを内蔵したテキスタイルが張られるなど、質感の向上が著しい。

最上級グレードの「エスプリ・アルピーヌ」では、アルカンターラの内装やアルミペダルが奢られ、スポーティかつプレミアムな空間を演出する。また、ステアリングホイールのロック・トゥ・ロックが従来の3.3回転から2.6回転へとクイックになったことも、ドライビングプレジャーの向上に寄与する見逃せないポイントである。

性能と効率を極めた新世代ハイブリッド「E-Tech 160hp

新型クリオの心臓部として、最も注目すべきはフラッグシップに位置づけられるフルハイブリッドパワートレイン「E-Tech 160hp」であろう。これは、従来の145hp仕様から大幅にパワーアップした新ユニットであり、最高出力160hpを発生する。この結果、0-100km/h加速は先代より1秒も速い8.3秒を記録し、そのパフォーマンスはクラスのトップレベルに躍り出た。

しかし、その真価は単なる速さだけではない。驚くべきはその効率性である。CO2排出量は、クラスで記録的となるわずか89g/kmを達成。複合サイクル燃費は3.9L/100km(約25.6km/L)と、従来のガソリンエンジンと比較して最大40%もの燃料削減を実現している。さらに、市街地走行においては、その時間の最大80%をモーターのみで走行することが可能であり、静かで滑らかなEV走行の恩恵を最大限に享受できる。

この卓越した性能と効率は、1.8Lのアトキンソンサイクルエンジンと2基の電気モーター、そしてF1の技術に着想を得た独自の「クラッチレス・マルチモード・インテリジェント・ドッグボックス」の組み合わせによって実現されている。このインテリジェントなギアボックスは、エンジン用に4つ、モーター用に2つのギア比を持ち、15通りの組み合わせの中から走行状況に応じて最適なモードを自動で選択し、途切れのないシームレスな加速と極めて高い効率性を両立させているのである。

Bセグメントの常識を覆す先進技術とコネクティビティ

新型クリオは、先進技術の搭載においてもセグメントの新たな基準を打ち立てた。その象徴が、Bセグメントでは初搭載となる統合インフォテインメントシステム「OpenR Link with Google built-in」である。これは、Googleマップによる最新のナビゲーション、Googleアシスタントによる音声操作、そしてGoogle Playストアを介した100以上のアプリケーションへのアクセスを可能にするもので、これまで上級セグメントのモデルでしか得られなかった直感的でシームレスなデジタル体験を提供する。このシステムは、全グレードに標準装備される2つの10インチスクリーンに表示され、ワイヤレスのAndroid AutoおよびApple CarPlayにも対応している。

安全性能も飛躍的に向上した。搭載可能なADAS(先進運転支援システム)は最大29種類にも及び、これはまさにクラスを超えた装備レベルと言える。インテリジェント・アダプティブ・クルーズ・コントロールや、後退時の自動緊急ブレーキ、乗員の安全な降車を支援するセーフ・イグジット・アラートなど、クリオとして初採用となる機能も数多く含まれている。

さらに、ルノーが推進する「Human First」プログラムの一環として、ドライバーの疲労や注意散漫を車内カメラで検知する先進的なドライバー監視システムや、運転挙動を分析して安全運転を促す「Safety Score」「Safety Coach」といったユニークな機能も搭載された。

* * *

デザイン、パワートレイン、そしてテクノロジー。そのすべてにおいて劇的な進化を遂げた第6世代の新型ルノー・クリオ。この「スーパーパワード・ハッチ」が、再び欧州市場、そして世界のコンパクトカー市場の勢力図を塗り替えることは間違いないだろう。日本市場への上陸も、今から楽しみにして待ちたい。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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