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クルマの域を超えた愛情表現。ロールス・ロイスが本気で創った「愛犬仕様スペクター」の全貌

唯一無二のビスポークを支える、オーナーと愛犬の物語

ロールス・ロイス・モーター・カーズは2025年10月6日、顧客の愛犬にインスパイアされた世界で唯一無二のビスポーク・コミッション作品「スペクター・ベイリー(Spectre Bailey)」を発表した。この車両は、長年にわたりロールス・ロイスを愛してきた米国在住の夫妻が、家族の一員である愛犬「ベイリー」への愛情を形にするためにオーダーしたものだ。ブランドのビスポークの真髄を体現したこの一台は、パーソナルな物語を芸術的な職人技で昇華させた、心温まるオマージュとなっている。

【画像13枚】愛情は細部に宿る。ローズゴールドの肉球が輝く「スペクター・ベイリー」の内外装をチェック

愛犬「ベイリー」への愛情がすべての始まりだった

この特別なコミッションは、招待制のビスポークスペースである「プライベート・オフィス・ニューヨーク」を通じて実現された。オーナーである顧客は、「私たちは生涯にわたるクルマ好きであると同時に、動物好きでもあります。愛犬ベイリーは、家族の大切な一員です。ロールス・ロイス・スペクターのカスタムオーダーが始まった時、この先何十年も私たちにベイリーのことを思い起こさせてくれる、美しいものを形にできる機会だと考えました」と語る。

コミッションを進める中で、ロールス・ロイスのビスポーク・コレクティブが提案した寄木細工や肉球のモチーフといったアイデアは、顧客の想像をはるかに超えるものであり、このクルマを忠実な相棒への思いを形にしたのである。

エクステリアを彩る、愛犬の毛並みと「肉球」のモチーフ

「スペクター・ベイリー」の最大の特徴は、エクステリアとインテリアの随所に施された、愛犬ベイリーをモチーフとしたユニークなデザインだ。エクステリアは、グッドウッドのペイント・スペシャリストが本モデルのためだけに開発した虹色のツートーン仕上げが採用された。

ボディ下部は、ベイリーの耳の柔らかな毛並みの色合いから着想を得た「クリスタル・フュージョンを重ねたビューティフル・ベイリー(Crystal Fusion over Beautiful Bailey)」で彩られている。一方、上部は光の当たり方で繊細に色彩が変化する「クリスタル・フュージョン」で仕上げられ、ダイナミックな輝きを放つ。ショルダー部分を走るコーチラインには、ベイリーの足跡を正確に再現したモチーフが、スピリット・オブ・エクスタシー像の色調に合わせ、ローズ・ゴールドで丁寧に手描きされている。

圧巻は180枚のベニヤで描かれた「ベイリーの肖像画」

インテリアもまた、ベイリーへの愛情に満ちあふれている。室内はモカシンとクリーム・ライト・レザーを基調とし、ベイリーの毛色を彷彿とさせるダーク・スパイスとキャスデン・タンのアクセントカラーが配されている。ウッド・サーフェスには高光沢仕上げのロイヤル・ウォールナットが用いられ、重厚かつ温かみのある空間を演出している。

このインテリアのハイライトは、後部座席の間に位置するリア・ウォーターフォールに施された、ベイリーの肖像画である。これは単なる絵画ではなく、180枚以上ものベニヤを組み合わせて製作された精巧な寄木細工のアートワークだ。

完成までに4ヶ月以上を要したこの肖像画は、ベイリーの生き生きとした表情と毛並みの質感を表現するため、職人が世界中から多種多様な天然のベニヤを探し出し、木目の方向や色調を緻密に組み合わせて作り上げたものである。染色や人工的な処理は一切行われず、木材が持つ自然な色合いだけで構成されている。特に、ベイリーの舌を表現するために、ロールス・ロイスではこれまで使用されたことのないパープル・ハート、チューリップウッド、ラウロ・ファイア、ペアという4種類のベニヤが採用された。最終的に9種類のベニヤが持つ22の自然な色調を活かすことで、驚くほど写実的で温かみに満ちた肖像が完成した。

さらに、ダッシュボードの助手席側にもベイリーの足跡をかたどった小さな寄木細工が施されているほか、ドアシルを飾るローズゴールドのトレッドプレートにも同じモチーフが刻まれ、乗降のたびにオーナーにささやかな喜びをもたらす仕掛けとなっている。

* * *

「スペクター・ベイリー」は、ロールス・ロイスが誇るビスポークの無限の可能性を改めて示す一台である。それは単なるラグジュアリーカーではなく、オーナーの人生の物語、そして愛すべき伴侶への深く個人的な想いが、最高峰のクラフツマンシップによって永遠の形を与えられた、動く芸術作品だと言えるだろう。

【画像13枚】愛情は細部に宿る。ローズゴールドの肉球が輝く「スペクター・ベイリー」の内外装をチェック

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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