【速報】アウディ、公道走行可能な「コンセプトC」を公開。TT／R8の系譜に連なる、新デザイン哲学のEVスポーツ

アウディ、未来を体現する電動スポーツ「コンセプトC」の詳細を公開

アウディは2025年10月20日、ブランドの未来を体現する「アウディコンセプトC」に関する詳細を発表した。これは、スリリングな完全電動スポーツカーのプレビューと位置づけられるモデルである。その比類なきデザイン言語は、将来のアウディモデルの姿を予告すると同時に、まったく新しいインテリア体験を提供するものだ。

【画像34枚】大胆かつ明瞭なプロポーション。新時代の電動ロードスター「コンセプトC」のディテール

ブランドの新指針「4つのデザイン原則」を初体現

このコンセプトCは、アウディが採用する新しいデザイン哲学の最初の具体例となる。それは「明瞭性（clarity）」「感情への訴えかけ（emotional appeal）」「技術的な卓越性（technical excellence）」「インテリジェントなデザイン（intelligent design）」という4つの原則を体現している。

このモデルは、2025年9月上旬にイタリア・ミラノでワールドプレミアを飾り、その直後にはミュンヘンで開催されたIAA（国際モーターショー）においても、ユニークなスタンドでその姿を披露している。このオールエレクトリック・ロードスターは、ミラノとミュンヘンの両方で来場者を魅了した。

最も注目すべき点の一つは、このコンセプトCが単なるショーカーではなく、公道走行の認可（road approval）を得ていることである。これにより、車両が持つ卓越したクオリティを、実際にステアリングを握って体験することが可能となっている。アウディによれば、このストリートリーガルなコンセプトカーは、将来の市販モデルのプレビューである。

「公道走行可能」なコンセプト。市販モデルの姿とは

その市販モデルは、デザイン、スピード、そしてエモーションを中核に据えた、息を呑むような全電動スポーツカーとして計画されている。また、卓越したドライビングダイナミクスも特徴となる。市販版は、コンセプトCが示すように、オープントップドライビングのスリルと、ハードトップのエレガンスという二面性をシームレスに融合させたものになる予定だ。

コンセプトCが採用するプロポーション、サーフェス（表面処理）、そして細かなディテールは、大胆かつ明確なアイデンティティを確立している。このアイデンティティは、今後のアウディブランドの未来を形作る上で、決定的な役割を果たすことになる。

テクノロジーとエモーションが共生する、五感に訴えるインテリア

インテリアもまた、新しい体験を提案している。車内空間は、完璧に選び抜かれた（キュレーションされた）素材と色彩によって構成され、極めて質の高いクラフトマンシップを明確に示している。これらの高品質な素材は、単に空間をデザインするだけでなく、乗員に対して触覚的、視覚的、そして感情的な体験そのものを生み出す役割を担っている。デザイン、美学、そして各種の操作エレメントが相互に作用し、人間の五感すべてに訴えかける空間が構築されているのである。

アウディコンセプトCのインテリアは、テクノロジーとエモーションのユニークな共生関係（シンビオシス）を達成している。テクノロジーは、決してそれ自体を主張することなく、巧妙に車内空間に統合されている。これにより、直感的なユーザーエクスペリエンスが保証される。

例えば、物理的な操作コントロールは、高い機械的品質を持つよう丹念に作られており、操作時には洗練されたサウンド、すなわちアウディのシグネチャーである「アウディ・クリック」を響かせる。さらに、ステアリングホイール上やセンターコンソールにはハプティック（触覚）コントロールエレメントが配置されている。このデザインもまた、操作時における明瞭性と精度を重視した結果である。

デジタル要素は常に手の届く範囲に配置されているが、決してインテリアの主役として支配的になることはない。その象徴が、折りたたみ式の10.4インチディスプレイである。このディスプレイは、ドライバーが起動するまで（activated）その姿を隠しており、これにより穏やかで整然とした（uncluttered）インテリア空間が保たれる。情報は、ドライバーが必要とする瞬間にのみ、シームレスかつ文脈（コンテクスト）に応じて表示される設計だ。

偉大なレガシーを継承し、「明瞭性」という新時代へ

こうした大胆なイノベーションと最先端技術の追求、そしてデザインに対する妥協のない集中は、アウディのDNAそのものであり、不可欠な要素である。この伝統は、スポーツカーであるTTやR8、あるいはRS 6（C6、2004年）、さらには伝説的なレーシングカーであるアウトウニオン・タイプCといった、ブランドの歴史を彩る多くのモデルによって体現されてきた。