春の沖縄を駆ける3日間。「ジロ・デッリゾラ沖縄2026」
日本屈指の絶景ロードが続く沖縄を舞台に、2026年3月19日から22日にかけて開催されたクラシックカーラリー「ジロ・デッリゾラ沖縄」。ヒストリックカーが主役のこの祭典に、ル・ボラン京谷編集長があえて最新の「マセラティ・グランカブリオ」で挑んだ。伝統と革新が交錯する3日間の旅は、まさに「大人の修学旅行」そのもの。至福のオープンエアと共に500km超を駆け抜けたラリーレポートをお届けする。
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愛車はお留守番。最新グランカブリオで迎える南国ツーリングの幕開け
「沖縄のクラシックカーラリーを取材しませんか?」
実はワタクシ、こう見えて(どう見えて?)クラシックカーオーナーである。場所は沖縄、大好きなクラシックカー、ふたつ返事で行きたい! と思ったものの、所有する1963年式オースチン・ヒーレースプライトMK-IIはここ20年ほど眠ったまま。
現地ではレンタカーの取材になるというし、ならばル・ボランらしく、最新モデルで、せっかくの沖縄ならオープンドライブを堪能したい。そこで真っ先に思い浮かんだ相棒がマセラティ・グランカブリオだった。
「ジロ・デッリゾラ沖縄」は、沖縄にルーツを持つインフィニット・ヴィジョン代表の矢口可南子さんがプロデュースするクラシックカーイベントで、今回で3回目を迎える。歴史・文化を育んできた沖縄の魅力を、クラシックカーラリーを通して多くの人に伝えたいという願いが込められている。
旅のはじまりは、愛車をフェリーで送り出すところから。那覇空港の駐車場で再会したグランカブリオを見たときには格別の喜びがあった。初日の宿は、沖縄の方言で“おもてなし”を意味する「うとぅいむち」の心を感じさせるリゾートホテル「ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄」。愛車(借用車だけど 笑)と共に楽しめる3日間の幕開けだ。
曇天に映える“ヴェルデジャーダ”。純白のシートで味わう優雅なオープンエア
ラリー1日目はあいにくの曇天。ロングノーズ・ショートデッキのスポーツカーのプロポーションを纏ったグランカブリオは、圧倒的な存在感を放っていた。“ヴェルデジャーダ”という、美しいグリーンのボディカラーに、グレージュのソフトトップを組み合わせたスタイルは、参加者や地元の若者からも「おおっ、マセラティ! カッコイイ!」と熱い視線を浴びてちょっと嬉しい。
オープンカーならではの見せることを意識したインテリアもゴージャスで、純白のシートにマセラティのエンブレムが映える。お洒落して乗らなくては(笑)。気分も上がり、さっそくトップを開けてホテルを後にした。
絶景と郷土料理を満喫しながら、時間の正確さを競い合うゲーム感覚
ラリーの基本ルールは、ルートブックのコマ図に従い、チェックポイントを通過しながら時間の正確性を競うもの。「決められたコースをいかに設定された時間に近づけて走れるか」というPC競技が勝負の鍵となる。私はPC競技は初体験。70mを10秒、35mを7秒……と計測される区間に、参加者はタイマーやストップウォッチ、携帯アプリなどを駆使して挑む。
とはいえ、イベント自体は決してスピードを競うラリー競技ではなく、地元の人がツーリングを楽しむドライブコース。世界遺産や観光地、沖縄独特の文化や風習から生まれた郷土料理など、沖縄を丸ごと満喫できるコンテンツが凝縮されているのだ。
サンゴは動物? 植物? ツーリングの道中で出会う沖縄の原風景
競技の次に向かったのが、サンゴの苗付け体験(笑)。恩納村は、世界一サンゴと人にやさしい村として「サンゴの村宣言」をし、保全活動に力を入れている。ここではそんなサンゴや海の環境を楽しく学んだ。
さて、いきなりですが、ここで問題です。サンゴは石か、生き物か? 正解は生き物。ではサンゴは動物か、植物か? 正解は動物。ちゃんと自分でご飯を食べて生きているのだ。ちなみに彼らは死んだら石になり、粉々になったものが沖縄の白い砂浜になるという。余談だが、沖縄の海は1年中入れるが、中でも秋がオススメなのだという。

1980年型モーガン+8:1936年に登場した4輪モーガンの開祖「4/4」を拡幅し、初代レンジローバー用V8・3.5Lエンジンを詰め込んだ高性能版として1968年に登場。軽いが旧態依然とした車体に大排気量V8を積んだ怪物だ。
道中、前を走るモーガンから漂う独特な排気ガスの匂いに「あー、これこれ」と、クラシックカー乗りとしての血が騒ぐ(笑)。その日のディナーでは、三線の音色と現地で聞く「島唄」に包まれながら沖縄の夜は更けていった。
スイッチひとつで空を独占。もうこの「贅沢な罠」からは抜け出せない!
2日目も曇り。肌寒さを感じる朝だが、首元を温めるエアスカーフが実に心強い。絶景のひまわり畑を過ぎた頃に雨がポツポツと降り出したが、50km/hまでなら走行中でもスイッチひとつで一瞬にしてクーペもオープンエアも楽しめるなんて、なんて素敵。なにも雨の時だけではない。翌日はお天気に恵まれたのだが、やはり沖縄の紫外線は強烈で、そんな時もスイッチひとつでオープンからクーペに早変わり。グランカブリオの機能性の高さ恐るべし。
最終日は快晴。伊計島サーキットを目指すワインディングでは、3L V6ツインターボの「ネットゥーノ」エンジンが本領を発揮する。全幅は1955mmと堂々たるサイズだが、フェンダーのふくらみのおかげで見切りがよく、153cmと小柄な私でも車両感覚が掴みやすい。「SPORT」モードに切り替えれば、「ヴァン」という勇ましい咆哮とともにアクセルレスポンスが鋭くなる。それでいてエアサスによる洗練された乗り心地は、まさに一級のGTカーだ。
伊計島でのバギーによるPC競技を終え、全行程が終了。ただ走るだけでなく、沖縄の観光スポットを巡りながらのドライブラリー。「大人の修学旅行」と、主催者の矢口さんが言っていたけれど、その言葉通りの温かみに溢れた素敵なイベントだった。

1966年型アウトビアンキ・ビアンキーナ・カブリオレ:このラリーでは第1回から皆勤賞の1966年型ビアンキーナ。もう一台の同型車と比べるとフルオープンが可能なソフトトップを持つ。生産年次が新しい分、よりモダンかつ頑丈そうだ。
ふと、自分のスプライトで参加したいな、という思いがよぎったが、あちらは重いハードトップを外すだけでひと苦労。スイッチひとつで沖縄の空を独占できるグランカブリオの快適さを知ってしまうと、この贅沢からは当分抜け出せそうにないな(笑)。
【SPECIFICATION】MASERATI GRAN CABRIO TROFEO
マセラティ・グランカブリオ・トロフェオ
■車両本体価格(税込)=29,150,000円
■全長×全幅×全高=4965×1955×1380mm
■ホイールベース=2930mm
■車両重量=1970kg
■エンジン種類/排気量=V6 DOHC 24V+ツインターボ/2992cc
■最高出力=550ps(404kW)/6500rpm
■最大トルク=650Nm(66.3kg-m)/6500rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(前後)=ダブルウィッシュボーン
■問い合わせ先=マセラティジャパン:https://www.maserati.com/jp/ja
■ジロ・デッリゾラ沖縄 公式ウェブサイト:https://girodellisolaokinawa.jp
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