農業分野でのサービスも展開
ボッシュ・グループは6月6日、都内で年次記者会見を開き日本における2017年の売上高が前年対比10%増となる23億ユーロ(約2950億円)にのぼったことを明らかにし、グローバルだけでなく日本市場においても高い評価を受けていることを発表した。
クルマファンにとって、ボッシュというブランドはモビリティソリューション事業の一環として自動車関連サプライヤーというイメージが強い。だがその一方で、ガーデンツールや電動工具などの個人向け製品や、パッケージング技術をはじめとする産業用の製品など、幅広い分野を手がけている。日本では1911年から事業を展開しており、現在約6600名が雇用されていることから、ボッシュが日本を重要な市場と捉えていることがわかる。
最近では新たにIoTによる事業拡大にも取り組み、昨年は日本の温室でトマト栽培を最適化するスマートなシステム「Plantec」を開発。Plantecはセンサーを使用して温度や湿度、二酸化炭素レベル、日光を測定し、クラウドデータに送信。そのデータを分析することでの効率的な農薬の使用計画が可能になるほか、農家が作物の損失を最小限に抑えることができるようになる。今後、いちごやきゅうりの栽培にもこのサービスを拡大していく方針で、ボッシュは2020年までに日本の温室の約10%で、このサービスを供給する目標を掲げている。
記者会見の場で、ボッシュ株式会社のクラウス・メーダー代表取締役社長は、2017年の業績について次のようにコメントした。
「日本のボッシュ・グループにとって、2017年は飛躍の年でした。第三者売上高は前年比10%増の2桁成長を記録し、これは同年の日本国内の自動車生産台数増加率5%の2倍となります。今後さらに、モビリティの自動化、電動化、ネットワーク化を進め、さらにモビリティ分野以外でもIoTの活用に向けた取り組みを加速させ、継続的な事業拡大につなげたいと考えています」