これでメルセデスAMG S63、アウディS8をロックオン
現行G11系7シリーズに初のV12エンジンを搭載した「BMW M760Li xDrive」の概要が公表された。先代の760Liでは6.0リッターだったターボ過給V12エンジンは排気量が6.6リッターへと拡大され、544ps(400kW)/750Nmを大きく上回る600ps(441kW)/800Nmを発生。車名からわかるとおりロングホイールベースシャシーで、駆動方式には4WDを採用している。このモデルは3月のジュネーブ・モーターショーで正式にワールドプレミアされる予定だ。
M3やM5といった本来のMモデルはBMWのレーシングカー開発を担当するM社が設計・開発から製造までを行なうが、M135iなどレギュラーモデル名の前にMの文字を加えたシリーズはパーツの設計・開発こそM社だが、製造はBMW自らが行なう。M760Liも後者のパターンだと考えられる。
今回は主に動力性能の向上に注力されており、エンジンのヘッドカバーには「M Performance」のロゴが刻まれている。スペックは上記のとおりで、0-100km/h加速は750iL xDriveの4.5秒から3.9秒へと大幅に短縮。最高速度は、標準仕様こそリミッターが作動するため750iLと同じ250km/hだが、Mドライバーズパッケージ装着車ではその制限が305km/hに高められる。
ほかにもステップトロニックスポーツ8速ATのシフトプログラムや、アクティブステアリングシステムおよびxDriveの制御をはじめとするシャシーコントロールシステム全般がMパフォーマンス仕様に改められた。また、装備面では19インチのMスポーツブレーキシステム、20インチアルミホイール、新デザインのフロントエプロンを含むMエアロダイナミクスパッケージ、フラップコントロール付きのMスポーツエグゾーストシステムなどが装着されている。
LセグメントサルーンのスポーツモデルではメルセデスAMGのSクラスやアウディのS8の後塵を拝していたBMWだが、これでようやく同じ土俵に立つことができたといえそうだ。発売時期は未公表だが、ジュネーブ・モーターショーで明らかになるはずだ。