コイツは本気だ! 最新最強のエアロダイナミクスを見よ
モデルイヤーを重ねるとともに、よりハイエンドなモデルが登場するのはクルマ界の定石だが、この秋にはメルセデスAMG GTに「S」のさらに上をゆく「R(仮称)」が投入される模様だ。モアパワー(600馬力)と意匠の小変更でアップグレードしてくるのかと思いきや、このAMG GT Rの進化は期待を上回るものになりそうだ。
このGT Rは、レーシングマシンであるAMG GT3のロードゴーイングバージョンという位置付けで、スクープフォトから伺えるもっとも目立つ変化はダウンフォース指向の空力デザインだ。もともとAMG GTはどこか生き物的なスリックさを持ったカタチなのだが、このGT Rは非常にパフォーマンス指向の空力リファインを受けて、ルックスもぐっとシャープになる印象だ。フロント周りの開口では大型スプリッターとカナード(!)、スポイラーがポイントで、これはかなり本格的にダウンフォースを狙っている。側面から見るとフロントエンドはバンパー下までほぼ垂直、つまりGT Sよりもボディ下面や内部の空力改善に繋がるスペースを得ているようだ。
リアでは大きなウイングが目を引くが、驚くのはロードカー離れした本気のディフューザーだ。GT3の派手な左右振り分けのテールパイプというファンシーさとは決別し、エキゾーストをセンター配置(しかも下部は完全整流されている)としてまでダウンフォースを追求している。なおフロントのスポイラーは最近話題の電子制御式の可変タイプだといわれる。これは高速コーナーが速そうだ。