国内試乗

燃費はアップ、価格はダウン! 新型ルノー・ルーテシアに試乗

こんなにいろいろ変わってるのに……!

 

 小さいことは気にしないのか、それともわれわれの想像以上にフランス人は奥ゆかしいのか、今回のランニングチェンジにあたり、ルノー本社は変更点を「エミッションをユーロ5からユーロ6に適合させました」としかアナウンスしてこなかったらしい。でも日本側でよく調べたら、最大トルクは上がっているわ6速ATのギア比は違うわ、アイドリングストップが付いているわ……で大騒ぎ。急遽リリースをこさえて「新型発表!」と相成ったそうな。

 

 そんな説明をまずはじめに広報さんから聞いたのだが、この話、ちょっと面白すぎるけれどあながちウソでもなさそうだ。これまでだって何の案内もないのにイヤーチェンジごとにクルマが劇的によくなっていくのは日常茶飯事だったし、なによりルノー・ジャポンの人たちはどこかのメーカーと違い、火のないところに煙をパタパタ立てるような人たちじゃない。その証拠にJC08モード燃費だって14.7km/Lから17.4km/Lに18%強もアップしたのに、「以前のはあくまで社内測定値なので……」となかなか言いたがらなかったくらいだ。ちなみに新型の数値はちゃんと国土交通省に審査してもらったそうである。

 

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 さて、そんな新型ルーテシアだが、その肝はどこにあるかというと、例のユーロ6対応が思わぬ副産物をいくつももたらしたということになりそうだ。最高出力は120psから118psに、トップスピードも199km/hから192km/hにダウンしたそうだが、最大トルクは190Nmから205Nmに増強、これに伴って0-100km/h加速は11.3秒から10.1秒へと1.2秒も短縮。さらにアイドリングストップと低速域重視のセッティングが功を奏し、想定速度域が低いJC08モード燃費がグンとアップした……というわけだ。なお、今回新型にスイッチしたのは1.2リッター直4ターボの「インテンス」と「ゼン」であり、スポーティな「GT」と0.9リッター直3ターボの「ゼン」は当面従来スペックのままだそうだからご注意のほど。

 

実用域での扱いやすさが格段にアップ

 

さて、そんな新型ルーテシアに早速試乗してみたのだが、やはり印象的なのは2~3000rpmあたりの中速域が格段にパワフルになっていることだ。ゼロスタートの加速はもちろん、アクセルに軽く足を乗せているような巡航状態から少し加速が欲しくなり、ちょっと右足を踏み増す……というような、日常でよくありがちな状況下で従来より確実にクルマが前にグイーンと出てくれるので実に気持ちがいい。

 

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 今回は都内で短時間試乗しただけだったのでワインディングなどは試していないが、マイルドな乗り心地と素直なハンドリングという、従来からのルーテシアの美点はしっかり継承。パワーが2馬力、トップスピードが7km/hダウンしたネガなどはもちろん感じられなかったし、はっきり言って日本じゃほとんど関係ないだろう。新たに搭載されたアイドリングストップもエンジンをオン/オフするときの振動が少なく、合格点を与えられる出来映えだった。

 

 しかも価格はインテンスで4万9000円、ゼンで1万2000円ダウンしているのだ。メタリック塗装料金を別途3万2400円とるようになったそうだが、これだけ完成度を高めつつ価格を下げてきたのはユーザーにとってはありがたい限り。インテリアもシートのカラーコーディネートやステアリング形状、シボなどが変更されて質感を高めているし、悔しいけれどちょっと欠点が見あたらないマイナーチェンジなのだ。

 

ルノー・ルーテシア・インテンス

 

東京標準現金価格 ¥2,399,000
全長/全幅/全高 4095/1750/1445㎜
ホイールベース 2600㎜
車両重量 1220㎏
エンジン型式/種類 H5F/直4DOHC16V+ターボ
総排気量 1197㏄
最高出力  118ps(87kW)/5000rpm
最大トルク 205Nm/2000rpm
トランスミッション 6速DCT
燃費(JC08) 17.4㎞/L
サスペンション形式 前:ストラット/コイル
後:トレーリングアーム/コイル
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク 後:ドラム
タイヤ 205/45R17
問い合わせ先 ルノー・ジャポン http://www.renault.jp/

 

LE VOLANT BOOST編集部

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