荷室にはアウトドアウェアのクローゼットが
3月23日、リンカーンはニューヨーク国際オートショーにて、コンセプトカー「リンカーン・ナビゲーター・コンセプト」を公開した。いかにもSUV然とした現行モデルからするとソフトタッチな印象のエクステリアデザインもさることながら、最大の特徴は電動開閉式の巨大なガルウイングドアだ。果たしてこれは次期モデルで本当に採用されるのだろうか?
後席までをカバーするガルウィングドアはコンセプトカーではよくあるギミックだが、加えてこのコンセプトカーでは、ドアを開けたときに3段の乗降用ステップが自動的に展開する仕掛けまで用意されている。こうした配慮を見ると次期ナビゲーターでは本当にガルウイングドアが採用されそうに思えてくるのだが、開閉時にたっぷりとしたスペースがなければ乗り降り不可能になってしまうことを考えれば、やはりコンセプトカーだけのものととらえるべきなのだろう。
一方、走行関連のメカニズムはいたって現実的で、3.5リッターツインターボV6ガソリンのエンジンは現行モデルと同形式だ。ただし新技術は投入されている模様で、最高出力は現在の385psを上回る400ps以上とされている。また、ステアリングやサスペンション、サウンドレベルなどの特性を変更できる走行モード切り替え機能も備えられているという。
室内に目を転じても、インストゥルメントクラスターやルームミラーに大型ディスプレイを使用するなど、SUVらしからぬ雰囲気に満ちている。大柄なボディならではのゆったりとした空間には、独立6席の“リンカーン・パーフェクトポジションシート”を設置。特許を取得済みという30方向もの調整機構はともかくとして、形状自体はとても現実的で、いかにも座り心地はよさそうだ。荷室には、アウトドアレジャー用のワードローブを整理しておける収納が設えられている。
衝突安全技術では、レーダーとカメラを併用した歩行者検出システムを搭載。他車や歩行者と衝突する危険性を検出すると警告を発し、ドライバーが一定の時間内に対処しなければ、衝撃を軽減するためフル制動までのブレーキ操作が自動的に行なわれる。ほかにも360度カメラを利用した俯瞰画面による駐車支援システムなど、現代的な運転支援システムはひと通り網羅されている。
ショーモデルながら、ナビゲーター・コンセプトはどこをとってもかなり現実的な仕上がりで、次期ナビゲーターの生産プロトはかなり早いタイミングで公開されそう。続報に期待したい。