ポルシェ

ポルシェ新型パナメーラに同乗試乗! それはスポーツカーか? ラグジュアリーサルーンか?/前編

ほとんどすべてをゼロから開発

 

 新型パナメーラについては6月29日の記事「それはまさに4ドアの911! ポルシェがついに新型パナメーラを公開」で既報の通り。なので概要についてはそちらをご参照いただくとして、今回はドイツの古都ドレスデンで開かれたワークショップに参加することができたので、その速報をお届けしよう。

 

 まずは第一印象から。会場となったユーロスピードウェイ・ラウジッツに到着すると、そこには数台のパナメーラ・ターボが「あっけらかんと」佇んでいた。

 

PORSCHE PANAMERA 2017 (2)

 

 BOOSTではこれまで何度にも渡ってスクープから追いかけてきただけに、直接この目で見る機会が訪れようとは実に感慨深い。サイズ的には全長5049mm(+34mm)、全幅1937mm(+6mm)、全高1423mm(+5mm)だから「先代とほぼ同じ」ということができるのだが、面の抑揚がよりダイナミックになり、さらに911のシルエットにいっそう近づけるべく、後席上部のルーフ部分を20mmも落とし込んでクーペらしいフォルムを実現。だから距離や見る角度によっては「ちょっと大きな911」と錯覚することもしばしばなのだ。パワーが漲るような凝縮感とスマートさが実によくバランスしており、これはもう文句なしにカッコいいといえるだろう。

 

PORSCHE PANAMERA 2017 (3)

 

 当日のプログラムは、お楽しみの同乗試乗の前にたっぷり新技術について開発陣に取材できるというものだったが、あまりの盛りだくさんっぷりに試乗する前からもうヘトヘトに。なぜならこの新型パナメーラ、エンジンもトランスミッションもサスペンションもボディもインフォテインメントシステムも、ほとんどすべてがゼロから開発されていたのだ!

 

 

新プラットフォーム「MSB」をはじめて採用

 

PORSCHE PANAMERA 2017 (4)

 

 今回デビューを飾ったのはガソリン2モデル、ディーゼル1モデルで、「パナメーラ・ターボ」「パナメーラ4S」「パナメーラ4Sディーゼル」という布陣。

 

 

 このうち日本に導入されるのはガソリン2モデルなのでそちらについて解説していこうと思うが、このうち「パナメーラ・ターボ」が搭載するエンジンは4.0リッターV8ツインターボ。先代に比べ排気量を800cc落としつつ、スペックは30ps/70Nmも上回る最高出力550 ps(404 Kw)/5750rpm、最大トルク770Nm/1960~4500rpmを発揮する。そして「パナメーラ4S」は2.9リッターV6ツインターボエンジンを積むが、こちらも排気量を100ccダウンしながら最高出力440ps(324 kW)/5650rpm(先代比+20ps)、最大トルク550Nm/1750~5500rpm(同+30Nm)を発生する。このV8/V6エンジンは基幹部品を共有するモジュラーユニットで、ツインターボはどちらもシリンダーバンク、V字になっている部分の中央上部に収められてエンジン自体をコンパクト化。これは同時にターボと燃焼室の距離が近づくということでもあり、結果スロットルレスポンスの向上にも貢献している。

 

PORSCHE PANAMERA 2017 (11)

 

 トランスミッションはこちらもまったく新しい8速デュアルクラッチのPDK(DCT)で、先代の7速から進化。しかも最大1000Nmのトルクにまで耐えられるよう大容量化され、さらに将来的にはモーターを組み込むために142mmも短く作られているそうだ。つまり次期プラグインハイブリッドはトルコン式ATではなくDCTと組み合わされるということ。なお、今回デビューした3モデルはすべて全輪駆動だが、4WDは先代から唯一引き継がれたシステムといえるかもしれない。路面や走行状況に応じてシステムの核となる多板クラッチをコンピュータがアクティブに制御、前後輪に最適なトルクを分配する、すでに各方面から定評のあるシステムだ。

 

PORSCHE PANAMERA 2017 (12)

 

 そしてこれらのパワートレインを収めるプラットフォームは、今後フォルクスワーゲングループで幅広く使われることになる大型FR/4WD用アーキテクチャー「MSB」をまっさきに採用。もちろんボディ設計のトレンドである軽量化には熱心に取り組んでおり、ホワイトボディは38%がアルミニウム製に(重量比)。結果として先代に比べ70kg軽量化、わずか405kgにまでダイエットしてきたそうだ。

 

 そのほかにも空気容量を60%増したエアサスペンション、俊敏さと高速安定性を両立する911譲りの後輪操舵システム、油圧式から電動式になり、いっそうレスポンスが向上したアクティブスタビライザー「PDCCスポーツ」など、新機軸の数々はとてもじゃないがここでは説明しきれないほど。より細かい情報は8月26日発売のル・ボラン10月号を併せてご覧いただくとして、続いてサーキットでの同乗試乗の模様をリポートしよう。

 

スペックや価格など、より詳しい情報はこちら

http://www.porsche.com/japan/jp

 

 

LE VOLANT BOOST編集部

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