快適性を重視したプラグインハイブリッド
8月29日、シトロエンはパリ・モーターショーにてワールドプレミアされる予定のコンセプトカー「シトロエン CXPERIENCE CONCEPT」の概要を発表した。乗員の居心地のよさと快適性を最大限に配慮した「シトロエン・アドバンスド・コンフォート」プログラムの最新のデモンストレーションとなるコンセプトカーで、リアドアを後ろヒンジとした観音開きとし、センターピラーを持たないボディ構造を採用。乗降性のよさと広大な室内空間を特徴としている。
往年のシトロエンCXを彷彿させるスタイリングのこのミドル級セダンのネーミング表記は、その血筋を暗示するかのように、“CX”が太字、“PERIENCE”が細字とされている。よって、あえてカタカナまじりの表記をするなら「CXペリエンス」とでもなるのだろうか。スタイリングだけでなくボディサイズもCXに近く、全長4.85m:ホイールベース3mの比率はCXのロングホイールバージョンである「リムジン」の4.9m:3.095mとほぼ同等で、全高もリムジンの1.375mmに対して1.37mとほぼ同じ。ただし全幅は1.77mに対して2mとワイドな設定とされている。
層状にレイアウトされたLEDヘッドライトが目を引くフロントマスクは、空気抵抗を減らすためにエアインテークに開閉式フラップを採用し、とてもすっきりとしたデザインとなっている。その奥に搭載されたパワートレインは、150bpsまたは200bpsのガソリンエンジンと80kWの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド。もちろん電気モーターだけでの走行も可能で、その場合でも60kmの航続距離が確保されているという。
ウッドパネルのトリムが美しいインテリアには、アスペクト比が16:3の非常にワイドな19インチタッチスクリーンディスプレイを装備。エアコンやナビゲーションからドライビングエイドまで、操作系はほぼすべてがこのスクリーンに統合されており、ほとんどスイッチのないダッシュボードを実現している。また、シートは座面外側のサポートをドアに装着することで、高いサポート性と乗降性のよさを両立。まさに“アドバンスド・コンフォート”といえそうだ。
2012年に生産を終了したC6よりは少し短いサイズだが、美しいスタイリングと強力なパワートレインはその後継モデルの資格十分といった印象。早期の市販化を期待したいところだ。
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Text:Hidemitsu HOSHIGA Photo:AUTOMOBILES CITROËN
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