MP4-12Cから650S、そしてP14へ
マクラーレン650系モデルの後継である「P14」のテスト車両がスクープされた。今年3月のジュネーブショーで、将来的に15モデルを投入する計画を披露したマクラーレンだが、P14はその第一弾として、おそらく来春のジュネーブショーでデビューするものとみられる。ちなみにP14は650系モデルの後継という位置づけなので、同社のラインナップではミドルレンジにあたる。
構成的には既存のV8ツインターボをブラッシュアップしたエンジンと、従来型のカーボン・モノセル(キャビン部のモノコック)が踏襲されるので、ニューモデルで大きく変わるのはデザインということになる。スクープ画像ではホイールの下3分の1ほどがガードレールの影になって見えないこと、リアフェンダー前部にあるはずのダクト開口がない(擬装?)ことから、現時点で車体の空力について多くは語れない。この部分の開口なしで冷却性能を賄うのには特別な工夫が必要なはずだ。一方でフロントフェンダー後方のエアアウトレットは大開口ハイフロー化されているので、こちらは冷却に余裕がありそう。続報を待ちたい。そしてリアエンドにはお馴染みのフリップアップ式の可変スポイラーが継承、写真ではよく見えないがディフューザーもより性能志向な形状になっているようだ。
しかし明らかな変化はフロント周りだ。蛾眉というか三日月というか、マクラーレンの個性的(ややアクが強いとも評されてきた)なフロントマスクが、男性的で彫りの深い新路線へと変わっている。ヘッドランプは天地に薄いLEDライトアレイであり、このリフレクター径に依存しないライトを生かしたグッドデザインだといえる。拡販路線にあるマクラーレン的には、大消費地である北米で好まれるカタチを意識したのかもしれない。
フロントの造形はノーズコーンを意識させる流麗なもので斬新。近頃は非常にシャープなスプリッターが出っ張ったカタチのクルマばかりで食傷気味というオトナたちに訴えかける感性がある。P14の競合車といえば、美しいカタチに定評のあるフェラーリ488が最右翼だから、マクラーレンも尖ってるだけじゃなく、カタチでも勝負をかけるということだろう。