3月7日に開幕したジュネーブショー2017で、アウディはスポーツコンシャスなモデルをワールドプレミアした。注目のモデルをピックアップしてみよう。
アウディの未来のSUV像を表現
「アウディQ8スポーツ コンセプト」は、アウディの最上級SUVであるQ8の新たな可能性を示すもので、アウディの未来のSUV像を具現化している。
パワートレインは450ps仕様の3.0リッターV6ツインターボと電気モーターを組み合わせるマイルドハイブリッドで、システム出力/トルクは476ps/700Nmを引き出す。このパワートレインには電気コンプレッサーも組み合わされ、タイムラグのない過給を実現。全長5.2mを超える大柄なボディにもかかわらず0-100km/加速を4.7秒でこなし、275km/hの最高速をマークする性能が与えられている。
サスペンションはダンパーコントロール機能付きの「アダプティブエアサスペンション スポーツ」により、走行シーンに合わせて地上高を90mmの範囲で5段階に調整することができる。
よりスポーティでダイナミックな内外装のデザイン、精度を高めたアウディバーチャルコックピットの搭載、そしてタッチパネル式MMIモニターの採用など、アウディSUVの将来像が表現されている。
フルモデルチェンジを受けた新型「アウディRS 5 クーペ」も同ショーでワールドプレミアされた注目の1台だ。開発を担当したのは、昨年クワトロから名称が変更されたアウディ スポーツ。ご存知のとおりアウディスポーツは、R8やRSモデルなどの高性能モデルの開発を手掛けるアウディAGの子会社である。
新型RS 5クーペには、450ps/600Nmを発揮する新開発の2.9リッターV6ツインターボエンジンを搭載。8速AT(ティプトロニック)を介して制御され、クワトロシステムによって4輪を駆動する。そのパフォーマンスは、1655kgのボディを停止から3.9秒で100km/hまで到達させ、280km/hの最高速を実現した。その一方で、燃費は11.5km/L(欧州複合モード)をマークしているのも特徴的だ。
ボディは先代型より全長で74mm大きくなった。エクステリアデザインはかつてのレーシングカーであるアウディ90クワトロIMSA GTOからインスピレーションを得たもの。シングルフレームグリルがベース車のA5クーペよりフラットで幅広くなっているなど、独自の個性が与えられている。
新型RS 5クーペは2017年6月より、ドイツをはじめとする欧州諸国で販売がスタートする。欧州市場での価格は8万900ユーロ(約972万円)からとのことである。
そのほか、今回のジュネーブショーでは、アウディA5クーペの新型DTMマシンも披露された。3世代目を数えるこのマシンは、エアロダイナミクス性能のさらなる追求が図られた。高水準のダウンフォースを発生させる点はもちろん、とくにフロントエンドとリアホイールアーチは大きな空力効果を発揮するものになったという。500psを発揮する4.0リッターV8エンジンに大きな変更はないが、吸気システムおよび冷却システムの改良を実施したとのことである。
新型DTMマシンは、5月初めのホッケンハイム戦から実戦投入される。