ランボルギーニは3月30日、ウラカンをベースにした警察車両「ウラカン・ポリツィア」をローマのイタリア警察ハイウェイパトロール隊に納車したことを発表した。納車セレモニーでは、ランボルギーニのステファノ・ドメニカリ会長兼CEO自らが警察関係者にキーを手渡した。
医療援助にもひと役
ボローニャのハイウェイパトロールに使用されるウラカン・ポリツィアは、救急医療や医療援助のためのトランスポーターとしての役割も担う。ベース車は610psを発揮するV10エンジンを搭載し、4輪を駆動するウラカン・クーぺで、ボディはイタリア警察の制式カラーであるポリス・ミディアムブルーとホワイトにペイントされるほか、サイドにはイタリアントリコロールのストライプが入る。もっとも、「POLIZIA」のロゴや、ルーフに備わるインジケーターによって、それが警察車両であることは明らかだ。
キャビン内には、ビデオカメラとタブレットからなる車載システムや記録装置などのハイテク機器に加え、携帯用消化器や警察用ラジオ、車両を安全に停止させるための標識などが積まれている。
高速道路における交通違反車両の検挙もさることながら、ウラカン・ポリツィアの本質的な任務は医療援助にあるという。具体的には、一刻を争う移植臓器や輸血用血液の輸送などが挙げられる。フロントボンネット内に臓器等を輸送するための特別な冷凍システムが備わっているのはこのためだ。事実、先代型にあたる「ガヤルド・ポリツィア」稼働時には、この車両によって多くの患者を救うのに貢献したとのこと。ちなみに2016年は、イタリア全土から176件の援助要請があったという。
さらにこの車両には、除細動器も装備され、不整脈や心室細動を引き起こした人への救命措置を施すことも可能になっている。ウラカン・ポリツィアは、高速道路の安全を守るだけでなく、その卓越しパフォーマンスを存分に活かして、人命救助にも役立てられるというわけだ。